横浜市立大学附属市民総合医療センター

横浜市立大学附属市民総合医療センター：歴史と伝統、そして未来を見据える大学病院

横浜市立大学附属市民総合医療センターは、神奈川県横浜市南区に位置する、横浜市立大学附属の大学病院です。1871年、西洋式病院として日本で2番目に古い歴史を持つ病院として設立されました。その歴史は、明治初期にまで遡り、横浜における近代医学の発展に大きく貢献しています。

当初は「仮病院」として設立され、その後「横濱市病院」、「横浜共立病院」、「十全醫院」と名称を変えながら、横浜の医療の中核を担ってきました。アメリカ・オランダ改革派教会の宣教医師デュアン・シモンズ医師は、ジェームス・カーティス・ヘボン医師と共に、横浜における近代医学の基礎を築いた重要な人物であり、その功績を称える記念碑が病院内に建立されています。

1923年の関東大震災で大きな被害を受けましたが、1926年に現在の浦舟町に「東洋一」と謳われた最新鋭の設備を備えた新病院が建設されました。1944年には横浜市立医学専門学校（現・横浜市立大学医学部）の母体となり、現在も横浜市立大学医学部と密接な連携を保ちながら、高度な医療を提供しています。医学部が1987年に金沢区に移転した後も、病院はそのまま存続し、地域医療に貢献し続けています。

高い医療水準は高く評価されており、週刊ダイヤモンドの「頼れる病院ランキング」では、2012年と2013年に全国1位を獲得しました。これは、医師や看護師の献身的な努力、そして最新の医療機器や設備、そして高度な専門性の高さの証といえるでしょう。

数多くの診療科と専門センターを備え、高度な医療を提供しています。専門診療科としては、内科、外科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科など幅広い分野をカバーし、さらに高度救命救急センター、総合周産期母子医療センター、リウマチ膠原病センターなど、専門性の高いセンターも設置されています。これらのセンターは、それぞれの専門分野における高度な医療を提供し、地域住民の健康を守る上で重要な役割を果たしています。また、女性外来、漢方外来、もの忘れ外来など、地域住民のニーズに応じた多様な専門外来も充実しています。

災害医療拠点病院、神奈川県内エイズ中心的受入病院、臓器提供施設など、地域社会に貢献する活動にも積極的に取り組んでいます。WHOとユニセフから「赤ちゃんにやさしい病院」として認定されるなど、その取り組みは高く評価されています。

しかしながら、施設の老朽化は大きな課題となっています。そのため、横浜市立大学医学部と共に、米軍から返還された根岸住宅地区への移転と、横浜市立大学附属病院との統合が計画されています。この計画は、老朽化した施設の更新だけでなく、医療サービスの更なる向上と地域医療への貢献を目的としています。

歴史と伝統を受け継ぎながら、常に最新の医療技術を取り入れ、地域社会のニーズに応えるべく努力を続ける横浜市立大学附属市民総合医療センターは、これからも横浜の医療を支える中心的な存在として、発展を続けていくことでしょう。 2010年には、麻薬及び向精神薬取締法違反事件が発生し、医師と看護師が逮捕、懲戒処分を受けました。この事件は、病院の医療安全管理体制の見直しを促す契機となりました。現在、病院は医療安全管理の強化に努めています。

アクセスは、京急本線黄金町駅、横浜市営地下鉄ブルーライン阪東橋駅から徒歩圏内です。バスでのアクセスも可能です。

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