横須賀美術館

横須賀美術館について

横須賀美術館は、神奈川県横須賀市の観音崎公園内に位置する美術館です。2007年4月28日に、横須賀市制100周年を記念して開館しました。本館に加え、別館として谷内六郎館を併設しています。

所蔵作品

横須賀美術館では、主に以下の基準で選定された、約5000点の日本の近現代美術作品を所蔵しています。

横須賀・三浦半島にゆかりのある作家（出身、居住、在住など）の作品
横須賀・三浦半島を題材とした作品
「海」を描いた作品
日本の近現代美術を概観できる作品

これらの作品は、絵画、彫刻を中心に、幅広いジャンルを網羅しています。

利用情報

観覧料
所蔵品展：一般380円、高校・大学生・65歳以上280円、中学生以下無料
横須賀市在住または在学の高校生、障害者およびその介助者は無料
開館時間：10:00～18:00
休館日：毎月第1月曜日（祝日の場合は開館）、12月29日～1月3日

アクセス

美術館は、鉄道駅から離れた観音崎公園内にあります。公共交通機関を利用する場合は、以下の方法があります。

横須賀線横須賀駅、京急本線横須賀中央駅、馬堀海岸駅から京浜急行バスに乗車、「ラビスタ観音崎テラス・横須賀美術館前」バス停下車、徒歩約2分
京急線浦賀駅から「観音崎」行きバスに乗車、終点下車、徒歩約3分

かつては、汐入駅、浦賀駅から急行バスが運行していた時期や、三笠公園・猿島から観音崎への航路が運航していた時期もありました。

建築概要

設計：山本理顕設計工場
施工：鹿島建設横浜支店
竣工：2006年
構造：鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造（地下2階、地上2階）
敷地面積：約22,000平方メートル
建築面積：4,234.42平方メートル
延床面積：12,095.15平方メートル

美術館は、駅からのアクセスが不便なため、滞在型の施設としてレストランや建物自体を充実させることを目指して設計されました。設計者の山本理顕は、この美術館が初の美術館建築でしたが、仙台メディアテークなどに携わった小野田泰明も設計に協力しています。

特徴的なのは、自然光を取り込むために、鉄の内壁に穴が開けられ、塩害を防ぐためにガラスで覆われた吹き抜けの展示ギャラリーです。これにより、外観がガラスで覆われた独特の構造となっています。

谷内六郎館

谷内六郎は、生前横須賀市内にアトリエを構えていた縁があり、1998年に遺族から『週刊新潮』の表紙絵約1300点を含む作品が横須賀市に寄贈されました。これらの作品は、谷内六郎館で常設展示されています。

当初、作品の保存管理などを助言する専門委員として遺族に報酬が支払われていましたが、市の財政難を理由に2010年度予算で打ち切られました。これに対し、遺族は寄贈した作品の返還を求めて提訴しましたが、横浜地方裁判所は原告の請求を棄却しました。

レストラン

館内には、イタリア料理レストラン「アクアマーレ」（Acquamare）があります。海に面した室内席や屋外テラス席からは、浦賀水道を行き来する船舶を眺めることができ、シップウォッチングを楽しむことができます。

参考文献

『クローズアップ 横須賀美術館』 日経アーキテクチュア、 2007年8月13日号、P.66-76

外部リンク

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