樽滝 (長野県)

長野県木島平村の秘境、樽滝

樽滝は、長野県下高井郡木島平村を流れる樽川に懸かる滝の総称です。この地には、雄滝、雌滝という二つの滝が古くから存在し、さらに特定の時期にのみ姿を現す幻の滝が加わり、訪れる人々を魅了しています。

雄滝と雌滝

樽川の上流に位置する雄滝は、高さ23メートル、幅5メートルの雄大な滝です。滝のすぐ上には橋が架かっており、国道から対岸の神社へと繋がっています。一方、雌滝は雄滝の下流にあり、高さ5メートル、幅5メートルと小ぶりながらも、広い滝壺を持つ滝です。この滝壺には、大蛇が住むという伝説が語り継がれています。

幻の滝

樽滝のもう一つの魅力は、年に2回だけ現れる幻の滝です。この滝は、もともと1923年に建設された水力発電所の導水路から漏れた水が、樽川に流れ落ちることで出現していました。1984年に導水路が変更されたことで一時姿を消しましたが、地元住民や写真愛好家からの要望を受け、1987年より毎年5月8日と10月の紅葉シーズンに放水されるようになりました。この幻の滝は、高さ50メートルにも達し、その美しい姿を一目見ようと多くの観光客が訪れます。特に5月8日には、滝を見ることで幸せになれるという言い伝えから、カップルにも人気のスポットとなっています。

樽滝にまつわる伝承

樽滝には、古くから様々な伝承が残されています。

雄樽の大貝：夕方になると雄滝に近づいた人を滝の底に引きずり込んでしまうという恐ろしい話があります。
雌滝の主：雌滝に住む大蛇は、かつて飯山市の滝壺に住んでいましたが、体が大きくなったため雌滝に引っ越しました。大蛇は、近くの寺の僧の夢枕に現れ、引っ越しを願い出たと言われています。この大蛇が雌滝の主となってからは、柏尾が水不足になると雌滝で雨乞いをすると雨が降るようになったと伝えられています。

アクセス

自家用車：上信越自動車道・豊田飯山インターチェンジから車で約20分。
公共交通機関：JR飯山線・飯山駅からタクシーで約20分。

周辺情報

樽滝周辺には、玉滝不動尊などの観光スポットもあります。また、木島平村内には、スキー場や温泉などの施設もあり、四季を通じて楽しむことができます。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会編著『角川日本地名大辞典 20 長野県』角川書店、1990年。
木島平村教育委員会「名勝 雄滝（男滝）・雌滝（女滝）」（現地案内板）
木島平村誌刊行会編集『木島平村誌 自然編』木島平村誌刊行会、1980年。
窪田文明著『信州の滝紀行 名瀑100選』郷土出版社、1995年。

関連項目

滝
水力発電
放流 (ダム)
七滝 (熊本県) - 水力発電の影響で年に1度出現する幻の滝

外部リンク

さわやか信州旅.net 幻の滝「樽滝」 - 樽滝放流
木島平村 樽滝 - 村に伝わる民話 雌滝の主
* 木島平村観光協会 樽滝（雄滝・雌滝）

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