橘百枝

橘 百枝（たちばな の ももえ）

橘百枝は平安時代の初めに活躍した貴族で、従四位上・橘綿裳の子として知られています。彼の官位の中で最も高いものは散位従四位下でした。百枝は80年という長い生涯を送り、その間には数多くの栄光と苦難がありました。

経歴

延暦18年（799年）、百枝は内舎人に任命されましたが、彼の運命は大同2年（806年）の伊予親王の変により大きく変わることになります。この事件に連座し、常陸員外掾に左遷されてしまいます。しかし、その後は罪を許され、嵯峨朝末期の弘仁13年（822年）には従五位下に叙爵されました。また、淳和朝の天長7年（830年）には従五位上として伊勢介に任命されるなど、後の仁明朝後半に向けて昇進を続けました。

承和13年（846年）には正五位下、承和15年（848年）には従四位下に昇進し、歴代の桓武、平城、嵯峨、淳和、仁明、文徳の各朝に仕えました。最終的に、仁寿4年（854年）4月2日に亡くなり、その後、散位従四位下という位を持ち帰ることとなりました。

人物

百枝は文書を理解するのが得意ではなかったものの、狩猟（特に鷹や猟犬を使った）を非常に好みました。狩りをする際は常に忙しく、休むことはほとんどありませんでした。また、剃髪して僧侶となる一方で、強い臭いを持つ野菜は食べないという特徴もありました。

彼の邸宅は大和国山辺郡にありましたが、ある時、洪水の影響で池の堤が崩れ、邸宅の全ての建物が流失するという災厄に見舞われます。そんな中で、百枝自身は身を木に縛りつけることで辛うじて生き残ることができたというエピソードは、彼の生命力を物語っています。

官歴

百枝の官歴は『六国史』に基づいています。ここで彼が取得した各官職について簡潔にまとめます。延暦18年には内舎人に任命され、その後の年次においても昇進を重ねていきました。大同2年11月には常陸員外掾に左遷された後、弘仁13年（822年）に従五位下に叙爵され、淳和朝の時代には従五位上、さらには伊勢介に至るまでの官位を持つようになります。承和13年（846年）には正五位下に、承和15年（848年）には従四位下にまで達しました。それから数年後、仁寿4年（854年）に人生の幕を下ろします。

百枝の豊かな人生は、貴族としての栄光と私生活での苦難が織り交ぜられ、一方で彼の人柄や趣味は当時の貴族文化を反映した独特のものであったと言えるでしょう。

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