橘綿裳

橘 綿裳について

橘 綿裳（たちばな の わたも）は、奈良時代から平安時代にかけて活躍した貴族であり、その役職や改姓の歴史に多くの特徴を持っている人物です。彼の氏姓は、橘朝臣から始まり、広岡朝臣、そして再び橘朝臣に戻るという変遷がありました。父親は中宮大夫であった橘佐為です。官職としては従四位上、右京大夫などを歴任しました。

経歴

橘綿裳の活動の始まりは、天平宝字元年（757年）にさかのぼります。この年、彼の兄弟である真姪とともに、橘朝臣から広岡朝臣に改姓しましたが、その後の状況により橘宿禰に戻されました。この背景には、反乱の影響があったとされています。

天平宝字3年（759年）には、彼は従五位下として叙任され、左大舎人助の職務にも就きました。その後の天平宝字8年（764年）には、藤原仲麻呂の乱が迫る中で上野員外介に左遷されるという波乱の津波を乗り越えます。

神護景雲3年（769年）には少納言に就任し、翌年の宝亀元年（770年）頃には光仁天皇の即位に伴い、従五位上に叙任され、中務少輔も兼務することとなりました。また、宝亀9年（778年）には、再び橘朝臣に改姓しています。

桓武朝の時代に入ると、延暦3年（784年）には大判事に転任しました。また彼は光仁朝から桓武朝にかけて従五位上として20年以上も昇進の機会を得られなかったものの、延暦16年（797年）には正五位上に叙せられ、その後も昇進を続けました。大同4年（809年）には従四位上に到達しました。この期間中、宮内大輔や右京大夫といった役職も務めていました。

残念ながら、彼は大同4年（809年）6月26日に亡くなり、最終的な官位は散位従四位上となりました。

官歴

橘綿裳の官歴は、時期不詳の正六位上から始まり、天平宝字元年の改姓を経て、様々な官職を歴任しました。具体的な経歴は以下の通りです:

• - 天平宝字元年（757年）: 橘朝臣から広岡朝臣に改姓
• - 天平宝字3年（759年）: 従五位下、左大舎人助に任命
• - 天平宝字8年（764年）: 上野員外介に左遷
• - 神護景雲3年（769年）: 少納言に就任
• - 宝亀元年（770年）: 従五位上、兼中務少輔
• - 宝亀9年（778年）: 橘朝臣に改姓
• - 延暦3年（784年）: 大判事に就任
• - 延暦16年（797年）: 正五位上に叙任

家族

橘綿裳の家族に関しては、父は橘佐為であり、母については記録が残っていません。妻についても同様に不明ですが、橘綿裳には数人の子供がいたとされており、特に男子として橘継成と橘百枝が記録されています。特に橘百枝は775年から854年まで生きたことが伝えられています。

まとめ

橘綿裳は、奈良時代から平安時代にかけての日本の貴族社会において、さまざまな知識を持つ優れた官僚でした。彼の官歴や家族構成から、当時の貴族社会の複雑さや権力闘争の一端を知ることができます。

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