櫻田山神社

概要

櫻田山神社（さくらださんじんじゃ）は、宮城県栗原市栗駒桜田に位置する神社です。正式には山神社（さんじんじゃ）という名称ですが、地元では地区名である桜田を冠した「櫻田山神社」として広く知られています。約1500年前に創建されたと伝えられ、宮城県内でも有数の歴史を持つ神社の一つです。社格は村社であり、地域の人々の信仰を集めてきました。

近年では、お笑いタレントである狩野英孝さんの実家としても有名で、彼の持ちネタにちなんで「イケメン神社」という愛称でも親しまれています。このユニークな側面が、多くの参拝客を惹きつけています。

歴史

神社の歴史は古く、仙台藩が編纂した「封内風土記」によると、武烈天皇の崩御後の6世紀初頭（古墳時代後期）に、同天皇の側近であった鹿野掃部之祐によって創建されたとされています。神社は北上川水系江合川上流の二迫川南岸、栗駒山から南東に延びる舌状台地上に位置し、かつては「山神社」と呼ばれていました。

1879年（明治12年）に村社に列せられましたが、1885年（明治18年）には火災により本殿が焼失しました。その後、1908年（明治41年）には、東に位置する八幡神社を合祀し、1925年（大正14年）に本殿が再建されました。翌年の1926年（大正15年）には、神饌幣帛料供進指定神社となっています。

2008年（平成20年）頃からは、狩野英孝さんの実家として知られるようになり、県内外から多くの参拝客が訪れる観光地となりました。しかし、同年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震により、境内の石灯篭や、高さ約6mの本鳥居が崩壊するなどの被害を受けました。特に本鳥居は約300年前に建立されたもので、1978年（昭和53年）の宮城県沖地震でも被害を受けなかったことから、今回の地震の激しさが窺えます。被害総額は約300万円に上り、氏子の寄進と修繕積立金によって再建されました。狩野英孝さんの父親である第38代宮司は、ファンの賽銭増加も再建に役立ったと語っています。2009年（平成21年）の正月三が日には、例年の10倍にあたる約3000人の初詣客が訪れました。また、同年春の例大祭では、狩野英孝さんが無料ライブを行い、復興支援に感謝を込めてファンら約4000人が集まりました。

2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災では、境内の石灯篭が3基倒れる程度の被害に留まりましたが、震災を機に狩野英孝さんが芸能活動と並行して神社の跡継ぎとなることを表明しました。しかし、4月7日の余震で、再建したばかりの本鳥居に亀裂が入る被害を受けました。2012年（平成24年）9月7日には、第38代宮司が心筋梗塞で逝去。その後、2014年（平成26年）夏に狩野英孝さんが神職の資格を取得し、弟と共に神社を継承しました。

2016年（平成28年）8月31日には、台風10号の影響で境内のカラマツが倒れ、藩政時代に建造されたとみられる拝殿の屋根が大きく破損する被害も発生しました。

神徳・例祭

櫻田山神社は、安産や子育ての神様を祀る神社として知られています。毎年4月の第2日曜日には例大祭が開催され、多くの参拝客で賑わいます。この例大祭では、可愛らしい柄の小さな「枕」が配られます。これは、出産時に妊婦が握るもので、安産を祈願する風習として伝えられています。

文化財

神社は、歴史的価値のある文化財も有しています。

社殿: 1986年（昭和61年）に栗駒町有形文化財に指定され、その後、2005年（平成17年）に栗原市有形文化財として再指定されました。
桜田ばやし: 栗駒町の無形文化財に指定され、栗原市でも無形文化財として再指定されています。この「桜田ばやし」は、春の例大祭で奉納されます。

その他

2008年（平成20年）には、JR仙台駅の改修工事に伴い、駅前にあった伊達政宗騎馬像が移設されたことを受け、お笑いタレントの狩野英孝さんらが中心となり、新しい待ち合わせスポットとして、ケンタウロスをモチーフにした「ミヤギケンタウルス」が制作されました。この石膏像は、一時的に仙台市内に展示された後、秋保町のうなぎ店に移設されました。

交通アクセス

バス: 栗原市民バス「桜田線」で、高木バス停下車（フリー乗降区間）するか、「岩ヶ崎線」で有賀沢バス停下車。
自動車: 東北自動車道・築館ICより約12km、若柳金成ICより約11km。
鉄道: JR東北新幹線・くりこま高原駅から約14km。

脚注

宮城縣神社庁「山神社」のページ
宮城県神社庁「お知らせブログ」- 栗原市栗駒 山神社の地震被害状況について

関連項目

狩野英孝
宮城県の神社一覧
尾松村

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