櫻田浩三

櫻田浩三：地方競馬史に輝く名調教師

櫻田浩三（さくらだ こうぞう）は、1941年4月19日、岩手県に生まれ、2016年4月21日に75歳でこの世を去った、日本の元騎手にして元調教師です。地方競馬、特に岩手競馬において、類まれな功績を残した人物として知られています。

若い頃は70kg近い体重でしたが、東京オリンピック馬術競技の日本代表候補生として東京で生活する中で、騎手への道を志します。岩手に帰郷後、繋駕速歩専門の騎手としてキャリアをスタートさせました。並々ならぬ努力と厳しい減量を経て平地競走の免許を取得。1969年には、数々の高額賞金レースを制し、実力派騎手として頭角を現します。大舞台での強さが持ち味でした。

1971年に繋駕速歩が廃止されると、1974年に騎手を引退し、同年、調教師に転身します。転身後早々に、初出走初勝利という快挙を達成。その後も順風満帆なキャリアを歩み、1975年には、管理馬サカノエミールが南部駒賞を制し、重賞初制覇を飾ります。

1984年には、後に著名な騎手となる佐藤雅彦が所属騎手として加わります。櫻田の指導の下、厩舎はますます発展を遂げ、1988年と2000年にはリーディングトレーナーの栄冠に輝きました。さらに、調騎会会長として長年にわたり地方競馬界を牽引しました。

1990年代には、アラブ系の名馬シバノアマゾネスを育成。シバノアマゾネスは気性の激しい馬でしたが、櫻田の深い愛情と巧みな手腕により、重賞3勝を含む6連勝を記録するなど大活躍しました。他にも、地方競馬で最強の3歳馬と謳われたアプローズフラワーや、アラブ競馬終焉期まで活躍したタービュレンスなど、数々の名馬を育成しました。

櫻田の活躍は岩手に留まりません。遠征にも積極的に取り組み、1999年と2000年には、管理馬が2年連続でJRAの3歳特別競走を制覇するなど、中央競馬でも存在感を示しました。2000年代には、ダート中長距離戦線の主軸グローバルゴットや、芝・ダートを問わず活躍したトキオパーフェクトなどの活躍馬を輩出。ダートグレード競走でも上位入着を果たすなど、その手腕は高い評価を受けました。

2006年には、オウシュウクラウンがジャパンダートダービーで3着に入り、パラダイスフラワーがエーデルワイス賞を制覇するなど、グレードレースでも結果を残しました。オウシュウクラウンは、同年の岩手競馬年度代表馬にも選出されました。

2008年には、多くの馬を遠征先の荒尾競馬場に送り込みました。櫻田自身も現地に長期滞在し、自ら料理を作り、厩務員や記者に振る舞うなど、チームを一つにまとめるリーダーシップを発揮しました。

2009年には、岩手競馬史上4人目、現役ではただ一人の地方通算1500勝を達成。この偉業は、シーズン開幕4ヶ月目という早さで達成されました。2015年には、通算1800勝を達成し、岩手競馬の調教師歴代2位という記録を樹立。岩手競馬の調教師歴代最高記録である1914勝にも迫る勢いでしたが、晩年は体調不良により入退院を繰り返していました。

2016年4月21日、75歳で生涯を閉じました。最後の勝利は、2016年4月17日に行われた水沢競馬場での駒形賞でした。調教師としての通算成績は地方競馬13553戦1843勝、中央競馬34戦2勝という輝かしいものです。

櫻田浩三は、その類まれな指導力と情熱で、地方競馬、特に岩手競馬の発展に大きく貢献しました。数々の名馬を育成し、多くの関係者に惜しまれつつ、その生涯を終えました。彼の功績は、これからも地方競馬の歴史に刻まれ続けるでしょう。

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