正親町三条尹子

正親町三条尹子（おおぎまちさんじょう ただこ）

正親町三条尹子は、室町時代中期に生きた女性で、室町幕府6代将軍・足利義教の継室として知られています。応永24年（1412年）に生まれ、宝徳元年8月9日（1449年8月27日）に38歳で亡くなりました。彼女の生涯は、将軍家の女性としての役割と、激動の時代を生き抜いた姿を伝えています。

生い立ちと結婚

尹子は、権大納言である正親町三条公雅の娘として生まれました。兄に正親町三条実雅がいます。当初、足利義教には日野宗子という正室がいましたが、二人の関係がうまくいかなかったため、側室であった尹子が継室として迎えられることになりました。

1431年（永享3年）のことです。この時、宗子は「本御台」、尹子は「新御台」と呼ばれ、将軍家に正室が二人存在する状態となりました。その後、義教は宗子と離縁し、尹子が唯一の正室となります。

将軍家での役割

1437年（永享9年）には従一位に叙せられ、将軍家の女性としての地位を確立しました。また、義教の長男である足利義勝の養母となり、その成長を見守りました。尹子は、将軍家の後継者育成にも貢献したと言えるでしょう。

悲劇と出家

1441年（嘉吉元年）、足利義教は赤松満祐によって暗殺されるという悲劇に見舞われます。夫の突然の死に大きな衝撃を受けた尹子は、出家して瑞春院と号し、仏門に入りました。彼女の心境は、想像を絶するものだったでしょう。

晩年

宝徳元年（1449年）8月9日、尹子は38歳でその生涯を閉じました。彼女は嵯峨二尊院に葬られています。短い生涯ではありましたが、室町幕府という激動の時代に、将軍の妻として、母として、そして一人の女性として生きた尹子の人生は、歴史に深く刻まれています。

まとめ

正親町三条尹子は、室町幕府6代将軍・足利義教の継室として、将軍家を支え、その後の歴史に影響を与えた女性です。彼女の生涯は、当時の社会情勢や将軍家の内情を知る上で、貴重な資料となっています。また、彼女の人生を通じて、現代を生きる私たちも多くのことを学ぶことができるでしょう。

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