日野宗子

日野宗子（ひの むねこ）

日野宗子（生年不詳 - 文安4年4月29日（1447年6月12日））は、室町幕府第6代将軍・足利義教の正室（御台所）です。父は大納言の日野重光。

生涯

第4代将軍であった足利義持の死後、弟の義円が還俗して将軍を継ぎ、「義教」と称しました。僧侶であった義教には妻がいなかったため、早急に正室を迎える必要がありました。そこで、義持の正室であった日野栄子が、甥の日野義資（重光の嫡男）と相談し、義資の妹で、栄子の姪にあたる宗子を正室として嫁がせました。

還俗から間もない応永35年（1428年）閏3月6日に、宗子は正式に御台所となります。同年6月21日には婚儀が執り行われました。永享元年（1429年）3月12日には女子を出産、翌年1月28日には三位に叙せられます。

しかし、この婚姻は義教の後見人である日野栄子によって決められたものであり、夫婦仲は良好ではありませんでした。義教は次第に側室の正親町三条尹子に心を移していきます。

永享3年（1431年）6月5日、義教は突如として尹子に御台所の身分を与えることを宣言します。以後、宗子は「本台所」、尹子は「新台所」と呼ばれ、正室が2人いる状態となりました。さらに7月26日には、宗子との間に生まれた唯一の子供である娘が死去、翌27日には日野栄子も病死しました。これを機に、義教は宗子との離別を決意し、年内に宗子は離別を言い渡されて御所を去ります。日野家に対しては、その妹である日野重子（後の義勝・義政の生母）を側室に迎えることで代償としました。

ただし、実際にはその後も室町殿の北向に住むことが許されていました。しかし、義教とその後を継いだ義勝（重子の子）が相次いで亡くなり、その後を継いだ同母弟の義政は幼すぎることを理由に烏丸資任（宗子・重子の従兄弟）の屋敷で育てられることが決まりました。そのため、室町殿の設備が次々と烏丸邸に移され、宗子は主のいなくなった室町殿に取り残される形となってしまったようです。

その後の動向は不明ですが、『康富記』文安4年4月29日条に、出家して観智院と名乗った宗子がこの日に死去したことが記されています。

人物

宗子は、将軍の正室という立場でありながら、その人生は必ずしも平穏なものではありませんでした。日野家の意向で将軍家に嫁いだものの、夫婦仲は良好とは言えず、最終的には離縁という結果を迎えます。しかし、その後も室町殿に住むことを許され、晩年は出家して静かに過ごしたようです。

関連項目

足利将軍家御台所
御台所

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