毛利広豊

毛利広豊：徳山藩再興に尽力した藩主

毛利広豊（もうり ひろとよ）は、江戸時代中期の大名であり、周防国徳山藩の第5代藩主です。第3代藩主・毛利元次の三男として生まれ、輝元の男系曾孫にあたります。

生涯

宝永6年（1709年）に江戸の徳山藩邸で生まれた広豊は、幼少期に徳山藩の改易という苦難を経験します。しかし、享保6年（1721年）に兄・元堯の早世により、その跡を継いで藩主となり、諱を広房と改めました。ただし、元服前であったため、年齢を詐称して幕府に届け出ました。

幼少のため、長府藩主の毛利匡広が後見役となり、政務を代行しました。享保7年（1722年）には広豊と改名し、享保8年（1723年）に徳山藩が再興されると、萩藩から派遣されていた井原元歳らが引き揚げました。

広豊は、婚姻にも苦労しました。享保9年（1724年）に尼崎藩主・松平忠喬の娘・雲鏡院との縁組が認められましたが、雲鏡院は早世。その後、相馬中村藩主・相馬尊胤の妹との縁組も進められましたが、婚姻前に亡くなっています。

延享4年（1747年）には、官位を但馬守から山城守に改めました。宝暦8年（1758年）に家督を次男の広寛に譲って隠居し、明和5年（1768年）には「茅山」と号しました。安永2年（1773年）に下松の別邸で亡くなり、徳山の大成寺に葬られました。

系譜

広豊は、非常に多くの子女をもうけました。正室の雲鏡院のほか、多くの家女房との間に、男子15名、女子23名がいました。

父：毛利元次
母：良寿院
養父：毛利元堯
正室：雲鏡院

多くの子は夭折しましたが、中には他家へ養子に出たり、家臣となったりした者もいました。以下に、広豊の子の一部を列挙します。

長男：毛利広矩
次男：毛利広寛（徳山藩6代藩主）
三男：毛利三助
四男：松野助紑
五男：小笠原正良
六男：毛利就盈
七男：森豊嘉
八男：孝暁
九男：吉川経倫
十男：某
十一男：毛利就馴（徳山藩7代藩主）
十二男：因順
十三男：毛利吉之助
十四男：天順
十五男：土方勝幼
十六男：大島義順
十七男：毛利松之助
十八男：毛利吉助
十九男：毛利亀五郎
二十男：某
二十一男：粟屋清平
二十二男：笹川芳和
二十三男：毛利熊吉
二十四男：毛利又三郎
長女：吉子
次女：鶴槌子
三女：春子
四女：豊子
五女：秀子
六女：美代子
七女：利子
八女：久米子
九女：松子
十女：富子
十一女：源子
十二女：行子
十三女：猪野子
十四女：和子
十五女：遊
十六女：好子
十七女：吉子
十八女：鉄子
十九女：澄子
二十女：武子
二十一女：栄子
二十二女：多野子
* 二十三女：幾子

毛利広豊は、藩主として、また一人の人間として、様々な苦難を乗り越え、子孫繁栄に尽くしました。その生涯は、徳山藩の歴史において重要な位置を占めています。

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