民主主義擁護連絡協議会

民主主義擁護連絡協議会（民連）とは

民主主義擁護連絡協議会（みんしゅしゅぎようごれんらくきょうぎかい）、通称「民連」は、1956年7月、アメリカ施政権下の沖縄において、当時の那覇市長であった瀬長亀次郎を支援するために結成された統一戦線組織です。沖縄人民党、沖縄社会大衆党那覇支部、無所属市議などが中心となり、幅広い勢力が結集しました。

民連の結成と活動

民連は、1957年8月4日の那覇市議会議員選挙を前に、1957年7月7日に結成されました。背景には、瀬長亀次郎市長への不信任案可決の動きがあり、これに対抗するために組織されたものです。民連は、人民党、社大党、旧二日会などの議員を擁立し、選挙戦に臨みました。選挙の結果、民連は議席を確保し、不信任案の再可決を阻止することに成功しました。

那覇市長選挙と民連ブーム

1957年、瀬長市長が「瀬長布令」によって失職した後、民連は後任の那覇市長を選出する選挙に臨みました。1958年1月12日の那覇市長選挙では、社大党那覇支部長の兼次佐一を統一候補として擁立し、見事当選を果たしました。この勝利は、民連の勢いを加速させ、「民連ブーム」と呼ばれるほどの社会現象を引き起こしました。また、2月2日の市議会議員補充選挙でも民連は圧勝しました。

民連は、基地反対や祖国復帰、土地を守る四原則の貫徹を掲げ、県民からの支持を集め、組織は沖縄各地に拡大しました。3月16日の第4回立法院議員総選挙では、全29選挙区中19選挙区で候補者を擁立し、一定の成果を収めました。しかし、得票数では民主党や社大党を上回ったものの、議席数は5議席にとどまりました。

民連の内部対立と活動停止

民連は、那覇市長選挙での勝利後、急速に拡大しましたが、その勢いは長くは続きませんでした。兼次市長が就任後、民連との距離を置き始めたことや、社大党から離脱した人々が社会党を結成し、民連を離脱したことが原因で、内部対立が激化しました。特に、兼次市長の変節に対する対処を巡り、人民党と社会党との間で大きな意見の相違が生じました。1959年には、民連としての組織的な活動が困難となり、1960年の総会を最後にその活動を停止しました。

民連の沿革

民連結成と那覇市議選

1956年12月25日、那覇市長選挙で人民党公認の瀬長亀次郎が当選しました。この結果に衝撃を受けたアメリカ民政府は、那覇市への融資凍結などの市政妨害工作を行いました。これに対し、那覇市議会は1957年6月17日に瀬長市長の不信任案を可決しました。市議会解散後の市議会議員選挙で、民連は人民党、社大党、旧二日会の議員を擁立し、勝利しました。

瀬長布令と市長不信任

市議選で民連が不信任阻止に必要な議席数を確保したにもかかわらず、反市長派は予算案審議を遅らせ、瀬長市長は専決処分で対抗しました。これに対し、アメリカ民政府は「瀬長布令」を公布し、不信任案の再可決基準の引き下げや、前科がある者の被選挙権剥奪などを行いました。その結果、1957年11月15日の市議会で瀬長市長の不信任案が再可決されました。

那覇市長選挙勝利と民連ブーム

瀬長市長の失職後、民連は1958年1月12日の那覇市長選挙で兼次佐一を擁立し、勝利しました。この勝利をきっかけに、民連は米軍支配に抵抗する政治勢力として県民の支持を集め、「民連ブーム」と呼ばれるほどの盛り上がりを見せました。続く市議会議員補充選挙でも、民連候補が多数当選しました。

民連内の対立激化と活動停止

那覇市長選挙後、民連の組織は急速に拡大しましたが、兼次市長が民連と距離を置くようになったことや、社大党脱退者による社会党結成と民連離脱によって、民連の活動は徐々に停滞しました。1959年には組織的活動が困難となり、1960年に活動を停止しました。

まとめ

民主主義擁護連絡協議会（民連）は、アメリカ施政下の沖縄で、瀬長亀次郎那覇市長を支援するために結成された統一戦線組織です。那覇市長選挙での勝利や立法院議員選挙での躍進を果たしましたが、内部対立により活動は停滞し、短期間でその役割を終えました。民連の活動は、当時の沖縄の政治状況を象徴する出来事として、歴史に刻まれています。



参考文献

沖縄人民党史編集刊行委員会・編『沖縄人民党の歴史』沖縄人民党史編集刊行委員会
『那覇市議会史』第1巻「那覇市議会の歩み」通史編 (PDF)

関連項目

沖縄人民党
琉球列島米国民政府
瀬長亀次郎
那覇市
* 島ぐるみ闘争

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