水の中の八月

水の中の八月

『水の中の八月』（みずのなかのはちがつ）は、作家・関川夏央による短篇小説集であり、その中でも特に評価の高い表題作の名称です。この作品集は1989年（平成元年）に講談社から単行本として出版されました。

表題作である「水の中の八月」は、1998年（平成10年）にNHKのアナログハイビジョン「ハイビジョンドラマシアター」枠でテレビドラマ化され、放送されました。ドラマ版は、その映像美と繊細な心理描写で、国内外の映画祭で数々の賞を受賞しています。現在でもNHKの放送ライブラリーで公開されており、視聴することが可能です。

ドラマ版『水の中の八月』

キャスト

平山健治(18): 水橋研二
橋本礼子(18): 伊藤歩
新井博(18): 関野吉記
国村潤一郎(50): 大杉漣
リエ(24): 柳愛里
平山恵利子(26): 真弓倫子
長谷川一夫(41): 塩見三省
片岡礼子
坂本宏和 (37): 光石研
渡辺哲
明子(43): 芹明香
雫石(43): モロ師岡
清水大敬
大道芸人: ギリヤーク尼ヶ崎
若松孝二
友川かずき
寺田農
平山幸二(50): 林隆三

スタッフ

原作: 関川夏央
脚本: 加藤正人
音楽: 都留教博
制作統括: 吉川幸司
撮影: 今井輝、小高文夫
照明: 大沼雄次
美術: 稲葉寿一
編集: 水島清子
技術: 飛地茂
音声: 大塚豊
音響効果: 加藤直正
演出: 高橋陽一郎

ドラマ版は、全編にわたり千葉県木更津市で撮影が行われました。木更津の美しい風景が、物語の舞台として効果的に描かれています。

受賞歴

第39回 ギリシャ・テッサロニキ国際映画祭 ゴールデン・アレクサンダー賞（最優秀外国作品賞）
国際批評家連盟賞
第46回 サン・セバスティアン国際映画祭 新人監督賞
第15回 ベルギー・モンス国際映画祭 最優秀脚本賞
第2回 NHK アジア・フィルム・フェスティバル 正式出品作品

小説集『水の中の八月』収録作品

水の中の八月
慶州バスターミナル
一九六三年の四月
感傷的七月
一九八六年の冬
韓国からのラブレター
青い流れのその向こう

関川夏央の独特な文体で描かれる短編小説集は、ノスタルジーや郷愁、人間の心の機微を繊細に表現しています。特に表題作は、少年時代の記憶と喪失感、そして再生への希望を描いた作品として、多くの読者の心を捉えました。ドラマ版もまた、原作の持つ繊細な世界観を映像で見事に表現し、高い評価を得ています。

外部リンク

* NHKドラマ館　水の中の八月 - NHK放送史

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