水谷勝美

水谷勝美について

水谷勝美（みずのや かつよし）は、江戸時代前期の大名で、備中国松山藩の第3代藩主です。官位は従五位下・出羽守。

生涯

1672年、第2代藩主・水谷勝宗の次男として生まれました。1676年に従五位下出羽守に叙任されましたが、生来病弱でした。1689年、父の隠居により家督を継ぎ、初めて領地である松山に入りました。勝美は、民政や治水工事、土木工事に熱心に取り組みました。特に松山川沿岸の堤防は「水谷普請」と呼ばれ、その功績は今も語り継がれています。

しかし、これらの事業による無理がたたり、元々病弱であったことも重なり、1693年に31歳で亡くなりました。実子がいなかったため、従兄弟にあたる旗本・水谷勝阜の長男・勝晴を末期養子としましたが、勝晴も家督相続前に亡くなってしまいました。これにより、水谷家は後継者が途絶え、断絶という結果になりました。

水谷家断絶とその後

備中松山城は幕府に召し上げられ、赤穂藩主・浅野長矩が城の受け取り役となりました。その後、安藤重博が新しい城主として入城するまでの間、浅野家の家老・大石良雄が松山城を管理しました。この時期、城下では浅野・大石主従に対する評判はあまり良くなかったと伝えられています。

大名としての水谷家の名跡はここで途絶えましたが、勝美の弟である水谷勝時が3000石の旗本として水谷家の名跡を存続することを許されました。さらに、その養子の勝英の代には500石が加増され、3500石の上級旗本として明治維新を迎えることになります。

系譜

父：水谷勝宗（1623-1689）
母：青山幸成の娘
正室：松平頼隆の娘
養子：
男子：水谷勝晴（1681-1693） - 水谷勝阜の長男

関連項目

末期養子

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