永光寺

永光寺（ようこうじ）

永光寺は、石川県羽咋市酒井町に位置する曹洞宗の寺院です。洞谷山という山号をもち、本尊として釈迦如来を祀っています。また、能登観音霊場の第13番札所としても知られています。

歴史

永光寺の歴史は、正和元年（1312年）に始まります。瑩山紹瑾の教えに感銘を受けた酒匂氏出身の祖忍尼と、その夫である海野三郎滋野信直が、寺を建立するために酒井保の野山を寄進しました。夫妻の熱意と霊夢に感じ入った瑩山は、翌年、山中に茅屋を結び、仮の庫裡としたのが始まりとされています。元亨3年（1323年）頃には伽藍が整備され、元亨4年には本堂である普光堂が竣工しました。暦応2年（1339年）頃には、足利尊氏・足利直義の発願により、能登国の利生塔が境内に建立されました。

応仁の乱後には、後土御門天皇の勅願により再興されましたが、天正7年（1579年）の兵乱により、開山堂の五老峰を除いて焼失してしまいます。その後、天正10年（1582年）に前田利家によって再興され、現在見られる伽藍は江戸時代に再建されたものです。

伽藍

山門をくぐると、正面には法堂（本堂）が建っています。法堂の手前右手には庫裏と書院、左手には僧堂、衆寮、鐘楼などが配置され、これらの建物は回廊で結ばれています。法堂の裏には開山堂にあたる伝燈院があり、その奥には五老峰と呼ばれる墳丘があります。五老峰は、天童如浄、道元、孤雲懐奘、徹通義介、瑩山紹瑾の5名の祖師を指し、伝燈院にはこれらの祖師の木像が安置されています。墳丘には、5名の遺品などが埋納されていると伝えられています。

文化財

永光寺は、数多くの文化財を所蔵しています。

重要文化財（国指定）

瑩山紹瑾筆洞谷山置文（附:瑩山紹瑾所用木印）: 鎌倉時代の文書で、瑩山紹瑾の筆によるものです。「尽未来際置文」元応元年（1319年）十二月八日、「四至堺田畠注文」元亨（1321年）三年三月七日、「文書注文」元亨三年十月九日、「寄田注文」元亨三年十月九日、「山中松禁制」正中二年（1325年）五月一日、「尽未来際勤行置文」正中二年七月十八日の六通が含まれます。

県指定有形文化財

木造徹通義介坐像：室町時代に作られた像です。
木造瑩山紹瑾坐像：室町時代の作。
木造明峰素哲坐像：室町時代の作。
木造峨山韶碩坐像：室町時代の作。
永光寺文書・典籍類：251点に及ぶ貴重な資料群です。

市指定有形文化財

伽藍配置
紙本淡彩山岡鉄舟像 河鍋暁斎画：明治19年（1886年）9月に河鍋暁斎によって描かれた山岡鉄舟の肖像画です。

その他

天童如浄語録
12巻本正法眼蔵
紙本淡彩何蠡舟像 河鍋暁斎画：明治19年（1886年）に河鍋暁斎によって描かれた何蠡舟の肖像画です。

交通アクセス

JR羽咋駅から車で15分。
* 峨山道：總持寺祖院と永光寺を結ぶ参詣道を利用。

永光寺は、歴史と文化が息づく場所であり、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれるでしょう。

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