江木翼

江木 翼の生涯と業績

江木翼（えぎ たすく）は、1873年12月5日に山口県御庄村（現在の岩国市）で生まれた日本の内務官僚、政治家です。幼名は恵助（えすけ）であり、後に法学博士を取得し、内閣書記官長や司法大臣といった多くの重要なポジションに就きました。

学歴と初期のキャリア

江木は山口中学校から山口高等中学校を経て、東京帝国大学法科大学英法科に進みました。1897年には、枢密顧問官や文部大臣も務めた江木千之の養子となりました。東京帝国大学を卒業後、1899年に内務省に入省し、神奈川県事務官や法制局参事官としてキャリアをスタートさせました。

政治家としての活動

1912年、大正元年に第3次桂内閣で内閣書記官長に任命され、以後も第2次大隈内閣や第1次加藤高明内閣でも同職を務めました。彼は憲政会や立憲民政党系の官僚政治家として知られ、1916年には貴族院議員に勅選されました。また、1920年には法学博士号を取得し、法学界での地位も確立しました。

1925年には第2次加藤高明内閣で司法大臣に就任し、その後も第1次若槻内閣でもこのポジションに留まりました。この頃、彼の名は広まりつつあり、特に甘粕事件における仮出獄の許可は、後の彼にとって議論を呼ぶ一因となりました。

晩年と健康問題

1931年には第2次若槻内閣で鉄道大臣を務め、「民政党の知恵袋」としての地位を確立しましたが、彼の健康は悪化していきました。病により辞職し、1932年9月18日に亡くなりました。胃癌は前年から闘病しており、肝臓にも転移していました。彼の墓所は青山霊園にあります。

栄典と家族

江木は多くの栄典を受けており、1915年には大礼記念章、1916年には勲二等旭日重光章、1927年には旭日大綬章を授与されました。彼の妻は江木秀子、養父の長女です。彼の旧邸宅地は1980年に向山庭園として一般開放され、多くの人に親しまれています。

結論

江木翼は日本の近代史において重要な役割を果たした政治家であり、数々の困難に立ち向かいながらも公的な職務を遂行しました。彼の業績は、当時の日本の政治体系に深く影響を与え、後世にその痕跡を残しています。

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