池尾芳蔵

池尾芳蔵の生涯と業績

池尾芳蔵（いけお よしぞう、1878年3月27日 - 1959年9月19日）は、日本の著名な実業家であり、特に電力業界でその名を馳せた人物です。彼は日本電力の社長と日本発送電の総裁を歴任し、戦前の日本における電力の発展に寄与しました。また、黒部鉄道、飛騨索道運輸、日本マグネシウムなど多くの企業の社長を務め、電気の普及に多大な影響を与えました。

生い立ちと教育

池尾は滋賀県草津町に生まれ、裕福な家庭に育ちました。東京帝国大学法科大学でも優秀な成績を収め、特に吉野作造との競争で際立った存在でした。1904年には高等文官試験に合格し、大学卒業時には銀時計を授与され、その知識を生かして逓信省通信局に入省しました。

彼は東京と大阪で郵便課長や業務課長を経験し、その後実業界にシフトしました。住友鋳鋼所で経理課長を務めた後、中国大陸を放浪し、その後大阪商船に転職。実業家としての道を歩み始めます。1919年には日本電力に移籍し、山岡順太郎社長の下でそのキャリアを急成長させていきます。

日本電力への貢献

池尾は日本電力の創設メンバーとして、その発展に尽力しました。社長就任後、彼は黒部川や神通川の開発に注力し、電力供給の基盤を確立しました。1928年には東京への送電線が完成し、電力の普及が進む中、池尾は業界の巨星としての地位を確立します。

彼の在任中、日本電力は事業を拡大し、五大電力会社の一翼を担うまでに成長しました。1936年には電力の国家管理に強く反対し、一時的に法案の成立を阻止しましたが、1938年には「電力管理法案」が成立。翌年、半官半民の日本発送電が設立され、池尾はその総裁として引っ張りました。

戦後の活動

戦後、池尾は関西電力のアドバイザーや日本動力協会の副会長などの役職を通して、電力業界の再建と発展に寄与しました。しかし、1950年代には健康を害し、1959年に脳溢血で亡くなりました。彼の功績は、今なお日本の電力供給に影響を与えています。

家族

池尾の家族も歴史に名を刻む存在です。父親の池尾与兵衛は近江国の素封家で、池尾の家庭は地域社会で重要な役割を果たしていました。また、息子たちや娘たちも著名な人物と結婚し、その血筋も引き継がれています。

結論

池尾芳蔵は、日本の電力業界において偉大な業績を残した実業家であり、その功績は後世に受け継がれています。彼の努力と情熱は電力の民主化と国営化を推進し、現代の電力供給体制に多大な影響を与えました。

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