沈穆夫

沈穆夫（しん ぼくふ、生年不詳 - 399年）は、東晋時代の人物です。字は彦和（げんわ）。本貫は呉興郡武康県（現在の浙江省湖州市徳清県）にありました。

生涯

沈穆夫は、沈警（しん けい）の子として生まれました。若くして学問を好み、父と同様に『春秋左氏伝』に通じていました。当初、王恭（おう きょう）の下で前軍主簿（ぜんぐんしゅぼ）を務めていました。

穆夫は道教を深く信仰しており、銭唐県（現在の浙江省杭州市）の杜子恭（と しきょう）に敬意を払って仕えていました。杜子恭が亡くなると、その門徒であった孫泰（そん たい）や、孫泰の弟子の孫恩（そん おん）に帰依しました。

隆安3年（399年）、孫恩が会稽郡（現在の浙江省紹興市）で反乱を起こした際、穆夫は会稽にいたため、孫恩の配下として前部参軍（ぜんぶさんぐん）・振武将軍（しんぶしょうぐん）・余姚県令（よようけんれい）に任じられました。しかし、同年12月に孫恩が劉牢之（りゅう ろうし）に敗北すると、反乱に加担した人々は厳しく追及され、穆夫は父や兄弟たちと共に処刑されました。

子女

沈穆夫には多くの子がいました。

沈淵子（しん えんし、381年 - 415年）：字は敬深（けいしん）。繁畤県五等侯（はんじけんごとうこう）。参鎮軍軍事（しんちんぐんぐんじ）・参車騎軍事（さんしゃきぐんじ）を歴任しました。劉道規（りゅう どうき）の下で輔国・征西参軍（ほこく・せいせいさんぐん）を務め、寧蜀郡太守（ねいしょくぐんたいしゅ）を兼ねました。劉基（りゅう き）と共に大薄（だいばく）で蔡猛（さい もう）を討ち取り、帰還すると太尉参軍（たいいさんぐん）となりました。司馬休之（しば きゅうし）の乱を討伐する際、徐逵之（じょ きち）と共に戦死しました。
沈雲子（しん うんし）：晋安郡太守（しんあんぐんたいしゅ）を務めました。
沈田子（しん でんし）
沈林子（しん りんし）
沈虔子（しん けんし）

伝記資料

沈穆夫に関する記述は、以下の史書に見られます。

『宋書』巻100 列伝第60
* 『南史』巻57 列伝第47

これらの史料から、沈穆夫の生涯や人物像を知ることができます。

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