劉道規

劉道規（りゅうどうき）

劉道規（370年 - 412年）は、東晋末から南朝宋にかけての重要な皇族であり、臨川烈武王として知られています。字は道則といい、宋の武帝劉裕の異母弟として生まれました。

生涯

若き日から劉裕と共に桓玄討伐の計画を練り、404年に劉裕が挙兵すると、劉毅や孟昶らと共に呼応して桓弘を討ちました。その後、東晋朝廷から振武将軍・義興郡太守に任じられ、桓玄を追討する戦いにおいて重要な役割を果たしました。

桓玄との戦い

桑落洲での戦いでは、数で勝る桓玄軍に対し、昆陽の戦いや官渡の戦いを引き合いに出して兵士を鼓舞し、勝利を収めました。桓玄が敗走した後も、桓謙や桓振らが再び勢力を盛り返すと、何無忌と共にこれを破り、江陵を奪還するなどの功績を挙げました。

江陵平定後の活躍

江陵平定後、劉道規は劉毅や何無忌らの功績を評価し、自身は末席に甘んじました。その後、輔国将軍・都督淮北諸軍事・并州刺史に任じられ、桓氏の残党掃討に尽力しました。また、荊州刺史として地方の安定に貢献しましたが、劉敬宣が後蜀攻略に失敗した際には、監督責任を問われて降格されることもありました。

盧循の乱と晩年

410年に盧循が建康に迫ると、王鎮之や檀道済らを派遣して朝廷を支援しましたが、自身は苟林に敗れました。しかし、その後桓謙を討ち取るなどの戦功を挙げ、勢力を盛り返しました。411年には征西大将軍・開府儀同三司に任じられましたが、病のため豫州刺史の任を辞退し、412年に建康で亡くなりました。享年43歳。

死後、侍中・司徒の位を追贈され、劉裕が即位すると大司馬の位を贈られ、臨川王に追封されました。

人物

劉道規は、その軍事的才能だけでなく、人柄も高く評価されていました。困難な状況でも冷静に判断し、兵士を鼓舞するリーダーシップを発揮しました。また、功績を他人に譲る謙虚さも持ち合わせており、多くの人々に慕われました。

家族

妻は臨川太妃曹氏。子はおらず、兄の長沙景王劉道憐の次男である劉義慶が後を継ぎました。

伝記資料

『宋書』巻51 列伝第11
『南史』巻13 列伝第3

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