沢渡駅

沢渡駅の概要

沢渡駅（さわんどえき）は、長野県伊那市西春近沢渡に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）飯田線の駅です。この駅は、その読み方が難しいことから、難読駅の一つとして知られています。

歴史

沢渡駅の歴史は、1913年（大正2年）12月27日に、伊那電車軌道（後の伊那電気鉄道）が宮田駅から伊那町駅（現在の伊那市駅）まで延伸した際に開業したことに始まります。当初は一般駅として営業を開始しました。

その後、1943年（昭和18年）8月1日に、伊那電気鉄道線が国有化され、飯田線の一部として鉄道省（後の日本国有鉄道）の駅となりました。

1962年（昭和37年）には、西春近村が所有する専用側線の運用が開始され、1965年（昭和40年）の伊那市との合併後も、西春近財産区がその所有を引き継いでいます。

1967年（昭和42年）には、伊那女子高校（現在の伊那西高校）の開校に伴い、利用客増加に対応するため、待合所が拡張されました。

1971年（昭和46年）12月1日には、荷物と専用線発着を除く貨物取扱が廃止されました。

1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、東海旅客鉄道（JR東海）と日本貨物鉄道（JR貨物）の駅となりました。

1996年（平成8年）3月には、貨物列車の発着が完全に消滅しました。

1998年（平成10年）3月31日には、駅業務が外部に委託されるようになりました。

そして、2013年（平成25年）4月1日には、窓口が廃止され、無人駅となりました。

2020年（令和2年）2月22日には、老朽化した旧駅舎の解体と新駅舎の建設が完了し、竣工式が行われました。

駅構造

沢渡駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、列車交換が可能です。駅構内には、貨物列車用の側線が残っています。駅舎は下り線側（西側）に位置し、ホーム間は構内踏切で連絡しています。

現在は伊那市駅が管理する無人駅ですが、2013年3月までは東海交通事業の職員が駅業務を担当する業務委託駅であり、JR全線きっぷうりばも設置されていました。

2番線には、西春近財産区が所有する専用側線が接続しており、信号機も両方向に設置されているため、上下列車ともに進入可能です。しかし、駅舎が1番線側にあるため、通常は上り列車のみが使用しています。

かつては、朝の通勤時間帯に辰野駅発の当駅終着の上り列車も運行されていました。

貨物取扱と専用線

JR貨物の駅としては、臨時車扱貨物のみを取り扱っていますが、貨物列車の発着はありません。かつては、駅南側にあった西春近財産区専用線から、秩父セメントサービスステーションや油槽所などへ至る専用線が分岐しており、定期列車末期にはセメントが当駅に到着していました。

利用状況

近年の一日平均乗車人員は、伊那市統計書によると以下のようになっています。

駅周辺

駅舎は長野県道221号宮田沢渡線に面しており、駅前には小規模な商店街が広がっています。また、伊那市役所西春近支所（西春近公民館に併設）や、上伊那農業協同組合西春近支店なども駅周辺にあります。西方の坂を上ると、伊那西高等学校があります。県道は当駅と下島駅の間にある踏切で交差しています。

赤木駅側（南方）には、JR線で最も急な勾配区間（40‰）が存在します。

その他、駅周辺には以下の施設があります。

伊那警察署西春近駐在所
アルプス中央信用金庫春近支店
上伊那農業協同組合西春近支店
伊那食品工業沢渡工場・藤沢工場
タカノ伊那工場

東側には国道153号が南北に走り、その先は天竜川へと続いています。西春近郵便局は県道に面した駅南方に位置しています。

バス路線

伊那本線（伊那市街地 - 南箕輪村 - 箕輪町）が運行されています。

隣の駅

東海旅客鉄道（JR東海）飯田線

■快速（「みすず」含む）：宮田駅 - （一部赤木駅） - 沢渡駅 - （一部下島駅） - 伊那市駅
■普通：赤木駅 - 沢渡駅 - 下島駅

その他

JR線最急勾配区間は、隣の赤木駅との間にあり、碓氷峠廃止後、最も急な勾配区間となっています。

参考文献

曽根悟（監修）（著）、朝日新聞出版分冊百科編集部（編集）（編）「飯田線・身延線・小海線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第3号、朝日新聞出版、2009年7月26日。

関連項目

* 日本の[[鉄道駅]]一覧

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