洞光寺 (松本市)

洞光寺（とうこうじ）

洞光寺は長野県松本市刈谷原町、旧四賀村に所在する高野山真言宗の寺院です。山号は性徳山であり、主祭神には大日如来が祀られています。この寺院は定額寺の錦織寺と関連付けられています。

歴史

洞光寺の歴史は、淳和天皇の天長年間（824年から833年）に弘法大師によって開基されたという伝説に遡ります。弘法大師は自身が製作した薬師如来を本尊として安置したとされていますが、その詳細については明らかではありません。寺の薬師堂の横には、弘法大師が袈裟を掛けたとされる松の木が存在し、歴史の一端を物語っています。

次第に寺院は檀家や信者によって発展を遂げていきましたが、天文22年（1553年）に発生した上田原の戦いでは、武田軍の攻撃によって鷹住根城が落城し、洞光寺もまた兵火に翻弄されました。この際、講堂や庫裏を含む多くの建物が焼失し、わずかに本堂、現在の薬師堂だけが残るという厳しい状況に見舞われました。

再建の道筋を開いたのは、天正5年（1577年）に寺を再建した憲勤です。憲勤はこの寺院における中興の祖として、第一世の地位に就きました。その後は、高野山金剛三昧院の末寺として位置づけられましたが、現在では金剛峯寺を本山とする高野山真言宗の寺院へと進化しています。

現代に見られる薬師堂は江戸時代の末期に建築されたものであり、歴史的な背景を考えると貴重な建物といえるでしょう。

文化財

洞光寺には文化財も存在し、中でも「絹本著色真言八祖像」が県宝に指定されています。この像は応永13年（1406年）に長賢によって制作されたものとされており、高い芸術的価値があります。

洞光寺は、信仰の場であると共に、歴史的、文化的にも重要な役割を果たしてきた場所です。そのため、訪れる人々はただの観光地としてだけではなく、歴史に触れる機会を得ることができます。

参考資料

洞光寺に関するより詳細な情報は、書籍『探訪 信州の古寺 天台宗・真言宗』（1996年、郷土出版社）や四賀村の社寺文化財誌などで確認できます。

関連項目

• - 洞光寺 - 曖昧さ回避
• - 四賀村 (長野県東筑摩郡)

公式ウェブサイトには、洞光寺の詳細やイベント情報が掲載されていますので、訪問を計画される方はチェックされることをおすすめします。

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