津崎尚武

津崎尚武は、1882年（明治15年）に鹿児島県で生まれ、東京帝国大学法科大学政治科を卒業後、内務省に入省しました。長野県警視などを歴任した後、官を辞して渡米し、実業家としての経験も積みました。帰国後は東亜産業株式会社などの取締役を務めています。

1920年（大正9年）の第14回[[衆議院議員総選挙]]で初当選し、その後7回当選を果たしました。その間、平沼内閣では厚生政務次官として国政に携わりました。所属政党は立憲政友会、政友本党、立憲民政党、そして再び立憲政友会と変遷しています。

戦後、大政翼賛会の推薦議員であったため公職追放となり、政治活動から一時的に離れることになりました。しかし、1951年（昭和26年）に追放が解除され、翌年の第25回[[衆議院議員総選挙]]に日本再建連盟から立候補しましたが、落選しました。

政治家としての活動の傍ら、海外協会中央会副会長、満洲移住協会理事、海外同胞中央会理事、大東亜親善協会副会長など、様々な団体の役員も務めました。これらの活動からは、津崎の国際的な視野や関心が伺えます。

津崎尚武は、政治家、実業家として多方面で活躍し、日本の近代史に名を残しました。著書には『想と相』や『どうなるか満洲国』があり、当時の社会情勢や津崎の思想を読み解く手がかりとなります。墓所は多磨霊園にあります。

参考文献

校友調査会編『帝国大学出身名鑑』校友調査会、1934年。
人事興信所編『人事興信録 第14版（下）』人事興信所、1943年。
『衆議院要覧（乙） 昭和十七年十一月』衆議院事務局、1942年。
『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年。

もう一度検索