流作場

流作場について

流作場（りゅうさくば）は、河川や湖沼の周辺に位置する新田の一種であり、水の流れの外側の地域、すなわち堤防から見て水の流れがある側に設けられた土地を指します。このような土地は、通常水量が少ない際には水に浸かりませんが、 水量が増えるとしばしば水没してしまいます。

流作場は必ずしも田んぼだけでなく、畑などの耕作地も含まれ、「新田」という呼称で広く知られています。この地域は、特に湿地であることから、一般的な農地とは異なり、気象条件に大きく左右されます。降雨が多い年には作付けや収穫が非常に困難となり、逆に旱魃の年には豊作になる傾向があります。このため、流作場は生産力が非常に不安定であり、土地の特性を考慮した管理が必要とされました。

検地の際には、その特異性から正式に「高」を決定せず、反別だけが測定されることが多く、各村の農民から年貢を徴収する形が主流でした。また、江戸時代の初期には、この地域は「原地（はらち）」や「秣場（まぐさば）」として知られ、主要な肥料供給地や共有地としての役割がありました。しかし、流作場に関する境界線は村ごとに曖昧でした。

享保の改革が進むと、特に関東地方において流作場の開発が進起こるものとなります。これは、勘定奉行の神尾春央や同じく勘定組頭の堀江芳極が推進したもので、年貢を増やす目的で、河川敷などの入会地を耕地化し、年貢を徴収しようという政策が採択されました。この施策は、享保7年（1722年）に発令された法令に基づくもので、その内容は「私領地の領有権は、検地によって評価の行われた土地にのみ結び付くが、それ以外の土地は幕府の所有である」というものでした。

流作場に関した政策の一環として、松平乗邑による新田開発が行われることとなり、これに反対する動きも見られました。元文3年（1738年）には、関宿藩の役人が流作場からの肥料の減少を理由に、流作場の検地に対する反対運動を展開しました。このような抵抗は、地域の農民や大名、旗本などの既存の権益に対する脅威とみなされ、多くの対立を生む要因となりました。

流作場は、こうした地域特性や歴史的背景に由来する土地であり、その独自性はメーカーや農家にとって生産の選択肢と同時に、栄枯盛衰の要因といえるでしょう。流作場の開発政策は、その後の地域開発や農業の発展に大きな影響を及ぼしていくのです。

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