浅野慶熾

浅野慶熾（あさの よしてる）は、江戸時代後期、安芸国広島藩の第10代藩主。浅野家25代当主にあたります。その短い生涯にも関わらず、周囲から高く評価された人物でした。

生涯

第9代藩主・浅野斉粛の長男として生まれ、幼名は定吉、定之丞、善次郎と名付けられました。初名は長裕。

嘉永4年（1851年）に元服し、第12代将軍・徳川家慶から偏諱を授かり、慶熾と改名。同時に、従四位上・侍従・上総介に任官しました。安政5年（1858年）には父の隠居により家督を継ぎ、広島藩の第10代藩主となります。このとき、通称を安芸守に改めました。

幼少の頃から聡明で知られ、その能力は島津斉彬、山内豊信、松平慶永といった名君からも一目置かれるほどでした。しかし、藩主就任からわずか半年足らずの同年9月10日に江戸で急逝。その早すぎる死は、周囲に惜しまれました。跡は、養嗣子の浅野長訓が継ぎました。

法号は大光院。墓所は広島県広島市の神田山墓地にあります。

系譜

父：浅野斉粛（1817-1868）
母：不詳
正室：利姫 - 徳川斉彊の養女、徳川斉荘の次女
養子：浅野長訓（1812-1872） - 浅野長懋（7代藩主・浅野重晟の四男）の五男


浅野慶熾は、短い期間ながらも藩主としてその才能を発揮することが期待されていました。彼の急逝は広島藩にとって大きな損失であり、その後の藩政に影響を与えたと考えられます。

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