浅野長訓

浅野長訓（あさの ながみち）：激動の時代を駆け抜けた広島藩主

浅野長訓は、江戸時代後期に活躍した大名であり、安芸国広島新田藩の5代藩主、後に広島藩の11代藩主となりました。浅野家26代当主として、激動の時代を生き抜き、藩政改革に尽力しました。

生涯

浅野長訓は、浅野家分家の浅野長懋の五男として生まれました。幼名は千之助、為五郎。長訓は新田藩主時代および明治維新以降に名乗った諱であり、広島藩主時代は浅野茂長（もちなが）を名乗りました。号は節山。

文政4年（1824年）に広島新田藩主・浅野長容の婿養子となり家督を継ぎました。その後、従五位下・美作守に任官し、後に近江守に改めました。安政5年（1858年）には、広島藩主・浅野慶熾の死去に伴い、その跡を継ぎました。

第9代藩主・浅野斉粛の時代から広島藩は財政難に見舞われており、長訓は家老として野村帯刀・辻将曹を登用し、藩政改革を断行しました。政治刷新や人材登用、洋式軍制の導入などを行い、藩政を立て直しました。

慶応2年（1866年）の第二次長州征討では停戦を主張し、岡山・徳島両藩主と連署して幕府・朝廷に征長の非と解兵を請願しました。

明治元年（1868年）には明治新政府に恭順の意を示すため、徳川将軍からの偏諱を棄てて諱を長訓に戻しました。明治2年（1869年）には、広島新田藩主の浅野長勲に宗家の家督を譲って隠居しました。明治4年（1871年）には、長訓の東京移住を阻止しようとする農民一揆「武一騒動」が起こりました。明治5年（1872年）に61歳で没し、墓所は広島県広島市の神田山墓地にあります。

栄典

明治35年（1902年）には、正三位を追贈されました。

人物・逸話

浅野長訓は、財政難にあえぐ広島藩を立て直すために、大胆な藩政改革を断行しました。洋式軍制の導入や人材登用など、その政策は先見の明があったと言えるでしょう。また、第二次長州征討では、戦火の拡大を避けるために停戦を主張するなど、平和を願う姿勢も持ち合わせていました。

系譜

父：浅野長懋
母：久松能桂の娘
養父：浅野長容、浅野慶熾
正室：峻 - 浅野長容の娘
養子
浅野長勲
* 鴻雪年

浅野長訓は、激動の時代に広島藩を率い、藩政改革に尽力した名君として、その名を歴史に刻んでいます。

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