浅野重晟

浅野重晟（あさの しげあきら）

浅野重晟は、江戸時代中期から後期にかけての大名で、安芸国広島藩の第7代藩主を務めました。浅野家22代当主であり、第6代藩主・浅野宗恒の長男として生まれました。将軍・徳川家重から偏諱を授かり、「重」の字と、初代・長晟、2代・光晟、3代・綱晟の3名が用いた通字である「晟」を組み合わせ、重晟と名乗りました。

生涯

宝暦7年（1757年）2月15日、重晟は将軍・徳川家重に拝謁しました。翌宝暦8年（1758年）11月28日には元服し、家重から偏諱を授かります。同時に従四位下・上総守に任官しました。宝暦13年（1763年）2月21日、父・宗恒の隠居により家督を相続し、広島藩の藩主となります。同年3月1日には通称を安芸守に改め、4月15日にはお国入りの許可を得ました。明和元年12月18日（1765年）には侍従に任官し、寛政2年（1790年）11月27日には左少将に任官しました。寛政11年（1799年）8月21日、重晟は隠居し、家督を次男の斉賢に譲りました。隠居後は通称を備後守に改めました。

事績

浅野重晟は、藩主として様々な功績を残しました。特に重要なのは、藩財政の建て直しと、文化・教育の振興です。

藩財政の再建: 重晟は、藩財政を立て直すために様々な政策を実行しました。経費削減に努めるとともに、社倉法による救荒策や、絹・油などの国産振興策を積極的に推進しました。これらの政策により、藩財政は徐々に改善されました。
学問の奨励: 重晟は学問を重視し、経費削減のために休止していた藩校を再興するため、「学問所」を開設しました。頼春水らを教授として登用し、自らも毎月3回ここで論語などを講じました。この学問所は、明治期に「修道館」となり、現在も修道中学校・修道高等学校としてその名を残しています。
庭園の改修: 重晟は、京都から庭師を招聘し、庭園「泉水屋敷」（現在の縮景園）の大規模な改修を行いました。この改修により、庭園はほぼ現状に近いものとなり、広島藩の文化財として重要な役割を果たしています。
藩政の拠点整備: 水主町に新たに中屋敷（水主町屋敷）を造営し、藩政の拠点としました。これにより、藩政の効率化が図られました。

系譜

父：浅野宗恒（1717-1788）
母：和泉
正室：邦姫（徳川宗勝の五女）
継室：陽姫（徳川宗勝の九女、邦姫の妹）
男子
次男：浅野斉賢（1773-1831）
三男：森快温（森俊韶の養子）
四男：浅野長懋（浅野長訓の父、浅野長勲・浅野長之の祖父）
七男：浅野忠順（浅野忠愛の養子）
女子
光樹院（南部利敬正室）
伊東祐民室
浅野長容室
秋元知朝正室
勝子（水野忠光正室）
小笠原長瑶正室

関連人物・事物

頼春水
加古町・住吉町 (広島市中区)
縮景園
修道中学校・修道高等学校

浅野重晟は、藩政改革と文化振興に尽力し、広島藩の発展に大きく貢献した名君として、その名を歴史に刻んでいます。

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