浅野順一

浅野順一：旧約聖書学者、牧師としての生涯

浅野順一（1899年12月12日 - 1981年6月10日）は、日本の著名な牧師であり、旧約聖書を専門とする神学者です。青山学院大学の名誉教授であり、キリスト教界への貢献が認められキリスト教功労者として顕彰されました。

生涯

福岡県に生まれた浅野順一は、1921年に東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業後、大手企業の三井物産に入社しました。しかし、彼はビジネスの世界から一転、東京神学社で高倉徳太郎らに師事し、神学の道に進むことを決意します。その後、イギリスとドイツに留学し、聖書学の研究に没頭しました。

帰国後の1931年、浅野は日本基督教会美竹教会を設立し、牧師として活動を開始しました。牧会の傍ら、旧約聖書の研究にも力を注ぎ、1954年には社会福祉法人泉会を設立。身体障害者の更生施設を運営し、社会福祉にも貢献しました。1959年には、青山学院大学文学部神学科の教授に就任し、後進の育成にも尽力しました。

1962年、62歳の時に美竹教会を辞任。「伝道者として、研究者としてもう一度出直したい」という強い願いから、世田谷区砧で開拓伝道活動を始めました。この決断には、親鸞の生き方への共感が影響していたと言われています。その後も牧会伝道と研究に情熱を注ぎ続け、81歳で生涯を閉じました。

受賞

1980年、長年のキリスト教への貢献が認められ、キリスト教功労者を受賞しました。

功績

浅野順一の没後、その功績を記念して「浅野順一賞」が創設されました。また、生前の著作をまとめた『浅野順一著作集』が刊行され、彼の研究成果は広く後世に伝えられています。

家族・親族

伯父に実業家の吉富璣一がいます。

著作

著作集

浅野順一著作集 全11巻、著作集刊行会編、創文社／電子書籍：講談社「創文社オンデマンド叢書」で再刊
「浅野順一 日本の説教」関田寛雄解説、日本キリスト教団出版局 2005

記念論集

『ヨーロッパ精神史の基本問題 : 下村寅太郎先生退官記念論文集』岩波書店、1966年
澤柳大五郎, 関根正雄, 村治能就, 浅野順一, 中野幸次, 秀村欣二, 兼岩正夫, 清水富雄, 渡辺金一, 下村寅太郎, 西沢龍生, 藤田健治, 永井博による共編著

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