浦塩派遣軍

浦塩派遣軍について

浦塩派遣軍（うらじおはけんぐん）は、大日本帝国陸軍の一部として、1918年に設立されました。これは、シベリアにおける日本の軍事行動、いわゆるシベリア出兵のために編成された部隊です。主に、ロシアの内戦や極東地域の安定を図ることを目的としていました。

沿革

1918年8月、浦塩派遣軍は陸軍により編成され、シベリア出兵に従事することとなります。特に重要な出来事としては、1920年に発生した尼港事件があります。この事件では、派遣軍所属の第14師団歩兵第2連隊第3大隊が全滅する惨事が発生し、これを受けて北部沿海州派遣隊が派遣されて救援活動を行いました。その後、浦塩派遣軍は1922年11月に復員します。

軍の組織

浦塩派遣軍の司令部は、主に以下の高級将校で構成されていました。

• - 司令官：

- 大谷喜久蔵 大将（1918年8月9日 - ）
- 大井成元 中将（1918年11月から大将に昇進、1919年8月26日 - ）
- 立花小一郎 大将（1921年1月6日 - 1922年11月6日）

• - 参謀長：

- 由比光衛 中将（1918年8月9日 - ）
- 稲垣三郎 少将（1919年6月28日 - ）
- 高柳保太郎 少将（1920年7月16日 - ）
- 磯村年 少将（1921年3月28日 - ）
- 柴山重一 少将（1922年7月10日 - 11月6日）

• - その他：

- 経理部長、軍医部長、獣医部長など、専門職による運営も行われました。
- 高級副官や各種部隊も含め、指揮系統は多岐にわたりました。

隷下部隊

浦塩派遣軍には、いくつかの隷下部隊が存在しました。具体的には、浦塩派遣軍野戦交通部、兵站部、臨時鉄道連隊、憲兵隊などが含まれ、これらが連携しながら軍の運営を支えました。また、各師団も必要に応じて派遣されました。例えば、第3師団や第14師団などが活動していました。

特務機関

さらに、浦塩派遣軍には複数の特務機関が設置され、オムスク、イルクーツク、チタ、ウラジオストクなど、シベリア各地に展開していました。これらの機関は、情報収集や対敵活動、地域の治安維持などを担っていました。

終焉

浦塩派遣軍は、シベリア出兵が終了するにあたり、1922年11月に解散し、その隊員たちは日本に帰国しました。この活動は、当時の国際状況や日本の対外政策に影響を与えた歴史的な出来事と言えます。

参考文献

以下の文献は、浦塩派遣軍や関連する軍事活動についての理解を深めるのに役立ちます。

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

以上が浦塩派遣軍の概要です。大日本帝国の陸軍史において、重要な役割を果たした部隊であることが分かります。

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