浦項級コルベット

浦項級コルベット（ポハンきゅうコルベット）

浦項級コルベットは、韓国海軍が運用する国産コルベットです。この艦艇は韓国国内にある都市の名前に由来しており、全24隻が建造されています。特に、日本では2010年に発生した天安沈没事件の際、PS（哨戒艦）として紹介されましたが、実際にはPCC（Patrol Combat Corvette）という正式な艦種です。

設計概要

浦項級コルベットは、韓国海軍初の国産コルベットである東海級を基に、さらなる大型化と機能強化が図られました。上部構造物は幅を広げて中央船楼型となり、艦体は10メートル延長されて排水量は増加しました。しかし、エンジン構成は基本的に維持されています。主な機関として、2基のドイツ製ディーゼルエンジン（MTU 12V956 TB82）と1基のアメリカ製ガスタービンエンジン（LM2500）が搭載されており、これにより、CODOG方式（ディーゼル機関とガスタービンの併用）による高い機動性を確保しています。また、後期型ではエンジン出力が強化され、より高性能なエンジンへの換装も行われています。

装備と武器

浦項級コルベットは、主に東海級の設計を踏襲しており、艦首には76mmのコンパット砲、艦尾には30mmの機関砲が配置されています。また、初期の4隻にはエグゾセ艦対艦ミサイルの発射筒が搭載されていましたが、5番艦以降はこのミサイルを廃止し、火力強化のために新たに76mm砲が増設されています。また、最終的にはハープーンミサイルを後日搭載し、対艦ミサイルの火力を補完しています。

センサーと電子機器

艦のセンサーについても、初期艦は東海級と共通の構成を持っています。艦橋のマストには、砲射撃指揮用のXバンドレーダー（WM-28）や航海用レーダー（AN/SPS-64）が搭載されています。9番艦以降は、より先進的なマルコーニ製の対空・対水上レーダーと射撃指揮レーダーが導入され、電子システムの強化が図られました。また、艦底には低周波に対応できるソナー（PHS-32）が備えられています。

今後の展望

浦項級は沿岸防衛を担う艦級としてしっかりとした役割を果たしており、今後は仁川級フリゲートや大邱級フリゲートによる代替が進められる予定です。また、沿岸警備に特化した犬鷲型ミサイル艇もこれに続く形で整備され、韓国海軍の能力強化が期待されています。

兵装・電装要目

浦項級の設計を元にした「漢江5号」という警備艦も建造されており、これは海洋警察庁で運用されています。なお、艦番号の末尾が0や4の艦は欠番であり、2009年からは老朽化により退役が始まっています。これにより、韓国海軍の艦隊の構成も変化していくでしょう。

浦項級コルベットは、その設計と機能性から、韓国海軍の重要な一翼を担っており、引き続き最新技術の導入が期待されます。

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