浮島 (嘉島町)とは？意味をやさしく解説

浮島：神が宿る湧水の池、熊本県 嘉島町の自然と信仰が織りなす絶景

熊本県上益城郡嘉島町井寺に位置する浮島は、地元で「浮島さん」と親しまれる浮島神社の神池です。この池は湧水によって形成されており、その水は今も地域の人々の生活を支えています。2010年には農林水産省の「ため池百選」に選定され、その価値が改めて認識されました。

嘉島町は、一級河川である緑川水系の支流に囲まれ、阿蘇山の伏流水が町内各地で湧き出しています。そのため、1996年には国土交通省により「清水湧き心ふれあう嘉島町」として「水の郷百選」にも選ばれました。さらに、「六嘉湧水群・浮島」として環境省の「平成の名水百選」にも選ばれており、水資源の豊かさが際立っています。

概要

浮島の池は、東側の一角に突き出した浮島神社の境内に位置し、「神の池」として古くから大切にされてきました。伝承によれば、1001年に湧水によって2.5haの池が完成したとされています。現在では、65haもの広大な農地を潤す灌漑用水源として重要な役割を果たしています。

浮島神社の鎮守の森と池の水面、そして背景にそびえる飯田山や阿蘇山の外輪山が織りなす景観は、多くの人々を魅了し、写真撮影スポットとしても人気があります。地域住民にとっては、憩いの場として親しまれています。

浮島・六嘉湧水群

浮島の近隣に位置する六嘉地区もまた、湧水が豊富な地域です。この地域は「砥川溶岩」を基盤としており、その上に帯水層が形成されています。さらに、阿蘇火砕流の堆積物や有明粘土層などが堆積し、表土近くは砂岩や礫岩のシルトで構成されているため、水分が豊富に含まれています。そのため、わずか1.5mほど掘ると伏流水が湧き出すと言われています。

「浮島・六嘉湧水群」として「平成の名水百選」に選定されており、各湧水には洗い場が設けられ、住民の交流の場となっています。また、「嘉島湧水天然プール」は、湧水の中に作られた全国でも珍しいプールであり、夏には多くの人々が涼を求めて訪れます。

浮島神社〜周辺水辺公園

浮島神社の湖畔は、「浮島周辺水辺公園」として整備されています。ここでは、チガヤ、ヨシ、セキショウなどの多様な植物が観察できるほか、水面にはカイツブリやカワセミなどの水鳥が生息し、冬にはカモの越冬地となります。

地域のボランティアグループによって、毎日のゴミ拾いや定期的な除草作業が行われており、住民の環境保全意識も高く、美しい景観と豊かな天然水が守られています。

アクセス

- 車: 九州自動車道御船インターチェンジより熊本県道226号六嘉秋津新町線経由で約8分(3.6km)
- バス: 桜町BTより熊本バス県庁・御船経由甲佐ゆきまたは砥用ゆき、県庁・嘉島町役場経由イオン熊本ゆきもしくは城南ゆきに乗車し「下六嘉」下車、徒歩9分(720m)

浮島は、豊かな自然と歴史、そして地域の人々の愛情によって守られてきた貴重な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

関連情報

- 嘉島町公式サイト)
- 浮島神社)

関連項目

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