海印寺 (陜川郡)

海印寺の紹介

海印寺（かいいんじ）は、韓国の慶尚南道陜川郡に位置し、海東華厳宗の開祖である義湘の法孫にあたる順応とその弟子理貞によって802年に創建されました。今日、水面下で変わり続ける韓国仏教界の中で、特に曹渓宗の中心的な寺院として位置づけられています。海印寺の大蔵経板殿は、ユネスコの世界遺産にも登録されており、多くの信徒や観光客に訪れられています。

歴史的背景

海印寺の歴史は、新羅王第40代哀荘王の時代まで遡ります。918年に高麗が建国されると、海印寺は高麗の国刹となり、次第にその重要性が増しました。930年には再建が行われ、その後も様々な理由で重建が重ねられました。李氏朝鮮時代の1414年の仏教弾圧に際しても存続が許され、それ以降も多くの変更や改修がなされてきました。

1700年代には数回の火災がありましたが、その度に高僧たちによって迅速に再建され、その建築物は今日の海印寺を支えています。1911年には日本による寺刹令施行規則により、朝鮮三十本山の一つに指定されるなど、歴史的・文化的な価値が高まった時期もありました。

境内の見どころ

海印寺の境内は多くの歴史的建物や文化財で満載です。まず、一柱門から始まり、境内に入ると鳳凰門があり、四天王像が奉安されています。この門は、邪鬼から仏法を護る役割を担っています。

解脱門をくぐることで、輪廻から解放されるという信念が示されている一方で、局司檀では伽耶山の守護神に祈りを捧げられます。九光樓は、華厳経に基づく説法の場として名付けられた建物で、海印寺固有の根源的な教えを反映しています。

ただし、一際目を引くのは大蔵経板殿で、ここには高麗八万大蔵経の版木が所蔵されており、その美しさと歴史的意義は訪れる者を感動させます。海印寺にある三層石塔は、統一新羅時代の典型的なモデルであり、寺の中の重要な財産の一部です。

文化と行事

海印寺では、年中行事が盛んに行われます。特に注目されるのは、高麗八万大蔵経の日を記念する行事で、毎年新暦の4月第2金曜日と土曜日には多くの参拝者が訪れます。また、灌仏会釈迦生誕日や開山大祭、菩薩戒受戒法会なども重要な行事として知られています。

現在の課題と展望

2023年には、性スキャンダルや修行期間中の不適切な行動が報じられ、寺の運営が影響を受けました。これにより、より厳格な内部規律や信仰の在り方が問われていることも事実です。しかし、海印寺はその歴史的意義と文化的・宗教的価値から、今後も多くの人々に支持されていくことでしょう。

アクセス

訪れる際は、大邱都市鉄道の西部正留場駅で下車し、海印寺行きのバスに乗り換えるのが便利です。終点で下車し、そこから約45分の道のりを歩くことになります。海印寺の神秘と共に、素晴らしい自然も楽しむことができます。

海印寺は、単なる観光地ではなく、信仰と歴史が交錯する場所であり、訪れることで得られる学びや感動が多いことでしょう。

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