海山太郎 (初代)

海山太郎の生涯と業績

海山太郎（かいざん たろう、1854年7月8日 - 1926年12月30日）は、高知県香南市香我美町岸本に生まれた重要な大相撲力士です。彼の本名は河野貞太郎であり、幼少期から相撲に親しみ、独自の道を歩みました。

幼少期と初めの相撲道

海山は武士の家に生まれ、若い頃から板垣退助の相撲道場で学び始めます。彼は「脇の磯」という名で地方相撲でその名を馳せ、あまりに強すぎるが故に「皆散」とのニックネームが贈られました。

大坂相撲への加入

1877年に彼は仲間たちと共に大坂相撲の猪名川部屋に入門し、ここで「皆散」という名を「海山」に変更します。1879年の9月場所において「海山貞吉」として新入幕を果たしました。その後、1882年には小結に昇進するものの大坂相撲を脱退し、東京の玉垣部屋へ移籍します。

東京での活動

1884年、海山は東京相撲で初土俵を踏み、特に右四つからの寄りと掬い投げを武器として有名になり、初代西ノ海嘉治郎に対して2勝を挙げます。しかし、三役昇進には至らず、前頭筆頭までの成績を残します。

引退と友綱部屋の設立

彼の現役生活は1891年5月の場所をもって終了し、年寄・友綱を襲名しました。そして友綱部屋を設立することにより、弟子の育成に力を注ぎます。彼の指導によって数多くの名力士が育ち、特に太刀山峯右エ門や八幡山定吉、國見山悦吉といった力士が名を馳せました。

友綱一門の隆盛

海山は友綱一門として角界において大きな影響力を持ち、明治末期における相撲界の覇者として名を馳せます。彼の弟子である二代目海山太郎が後に第32代横綱・玉錦三右エ門を育てたことからも分かるように、海山の影響力は広範囲に及びました。

協会への貢献

また、海山は東京大角力協会の取締として活動し、旧・両国国技館の建設に尽力するなど、その運営にも寄与しました。同郷の政治家、板垣退助の支援を受けながら、相撲界における地位を確固たるものとしました。

引退後の活動

彼は弟子たちが妻帯する際、女将がその相手を相撲部屋に仕込む形で支援しましたが、弟子の太刀山が引退後、1919年の検査役選挙で落選すると、自らも取締辞任を表明します。そして、1921年には協会を去ることとなりました。協会脱退後は芸妓待合を経営し、関東大震災では東京大角力協会の危機を案じ、大阪相撲協会との連携を試みました。

晩年と死去

海山は1926年12月30日に心臓病で亡くなりました。享年72歳であり、彼の生涯は相撲界に多くの影響を与えました。彼の業績は今なお多くの人々に記憶されています。

主要な成績

• - 幕内在位：16場所
• - 幕内成績：36勝36敗17分2預69休（勝率0.500）

このように、海山太郎はただの力士ではなく、多くの弟子を育成し、相撲界の発展に寄与した偉大な存在であったと言えるでしょう。

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