海鵬涼至

海鵬 涼至（かいほう りょうじ）

海鵬涼至は1973年4月17日、青森県西津軽郡深浦町に生まれた元大相撲力士である。本名は熊谷涼至で、愛称は「クマ」。八角部屋に所属し、身長177cm、体重125kg、血液型はO型。相撲を始めたきっかけは、小学校3年の時に出場した祭りの相撲大会であり、この経験が彼の相撲人生のスタートとなった。

大学は日本大学に進学し、相撲道を磨いた後、1996年1月場所にて幕下付出で初土俵を果たす。同じ時期に初土俵を踏んだ力士には、後に関脇となる栃乃洋や、十両の柳川がいる。1997年5月には新十両に昇進し、1998年5月には新入幕を達成。これにより、彼の名は相撲界に広く知られるようになった。

特に2001年9月場所では、横綱武蔵丸を破るという快挙を達成し、初金星を手に入れた。10勝5敗という成績を収め、幕内での初の二桁勝利を記録。その際、技能賞を受賞するなど、彼の力士としての実力が証明された。しかし、その後の11月場所では三役への昇進を果たすものの、成績は振るわず、三役在位はこの1場所のみとなった。

その後も海鵬は、2003年の1月場所で大関・朝青龍に勝利を収め、2005年3月場所では再び技能賞を受賞する活躍があったが、同年7月の場所で右足に大怪我を負ってしまう。この怪我によって彼は半年以上の全休を余儀なくされた。その後は十両での出場が続き、2007年には幕内に復帰。9月場所でも10勝を挙げるなどの活躍を見せたが、同じ年の11月場所では再び成績が振るわず、次第に十両に留まる日々が続く。

2010年には、再び十両での厳しい戦いを強いられることに。千秋楽では幕下陥落の危機も抱えていたが、同年5月場所での出場後、結果は思わしくなく、最終的には幕下落ちが決定。7月場所では休場することとなり、引退が発表された。

引退後は年寄・谷川を襲名し、後進指導に力を注いでいたが、2011年に発生した大相撲八百長問題では、調査委員会に対して現役中の八百長の疑惑が浮上。推移は厳しく、相撲協会から退職勧告を受けることとなったが、自己の信念を貫く姿勢を示し、退職届を提出せずに解雇される道を選ぶ。

その後は、加圧トレーニング専門ジムを経営しながら、母校相撲部のコーチや格闘技にも挑戦するなど、多岐にわたる活躍を見せている。また、2020年からは目黒日大高校相撲部の監督を兼任し、次世代の力士たちの育成にも力を注いでいる。海鵬の相撲人生は、彼自身の粘り強さとともに、教え子たちへの情熱が詰まったものである。

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