深川車両基地

深川車両基地

深川車両基地は、東京都江東区に位置する東京メトロの車両基地および車両工場の総称です。東西線の車両が所属しており、日々の運行を支える重要な拠点となっています。基地は深川検車区と深川工場から構成され、それぞれが異なる役割を担っています。

概要

深川車両基地は、東西線車両の留置、検車、工場検査を行うために設けられました。東西方向に細長い敷地を持ち、最終的には10両編成32本（320両）を留置できる規模となりました。しかし、将来の車両増備を見据え、下妙典留置線も同時に設置されました。

基地の用地は、東京都が所有していた江東区営野球場や東京都港湾局が管理していた運河を譲り受けて取得されました。建設にあたっては、貯木場を兼ねていた運河が埋め立てられましたが、この土地は軟弱地盤であったため、地盤沈下対策として路面より1.67mの盛土が行われました。この盛土には、東西線大手町、日本橋、茅場町駅付近の建設工事で発生した残土が使用されています。

東京メトロの他の車両工場では、複数の路線の車両を保守整備することが一般的ですが、深川工場では東西線の車両のみを取り扱っています。これは、東京メトロの車両工場としては唯一の例です。

本検車区の発足まで

東西線の検査業務は、当初、九段下駅付近の側線を飯田橋検車区として使用していました。その後、中野駅延伸に伴い、国鉄の三鷹電車区内に飯田橋検車区三鷹出張所を設置し、毎日検査と新車の受取検査を実施していました。しかし、車両数に対して収容数が不足していたため、一部車両は豊田電車区に留置されていました。

深川検車区の発足により、飯田橋検車区は廃止され、深川工場の発足により、国鉄線経由での検査回送も廃止されました。

深川検車区

深川検車区では、主に東西線用車両の月検査、車輪転削、車両清掃などが行われています。

敷地面積：82,260m2
車両留置能力：470両

配置車両

05系電車
07系電車
15000系電車

過去の配置車両

5000系電車

設備

車両留置線 23線
引き上げ線 2線
検車ピット線 2線
気吹線 1線
転削線 1線
洗浄線 2線

また、隣接地には東京メトロ社員向けの福利厚生スポーツ施設である東京メトロ総合運動場や東京メトロ体育館があります。

沿革

1964年（昭和39年）12月3日 - 深川車両基地の建設工事に着手。
1967年（昭和42年）9月14日 - 深川検車区発足。
1968年（昭和43年）4月1日 - 深川工場発足。
1981年（昭和56年）3月 - 深川工場車体更新修繕場完成
1997年（平成7年）3月 - 行徳検車区より車輪転削業務を移管。
2002年（平成14年）6月 - 行徳検車区より車両清掃を移管。
2009年（平成21年）度 - 行徳検車区を統合し、深川検車区行徳分室とする。

深川工場

深川工場は、東西線所属車両の重要部検査・全般検査、改造工事などを行う施設です。東葉高速鉄道の車両についても、同社からの委託により検査が行われています。

担当車両

05系電車
07系電車
15000系電車
東葉高速鉄道2000系電車

過去の担当車両

東葉高速鉄道1000形電車
5000系電車

工場内では、車両を1両ずつに分割してクレーンで車体を持ち上げる作業や、台車置き場などがあります。また、構内試運転も行われることがあります。

位置

深川車両基地は、東京都江東区塩浜に位置しています。検車区の南側には総武本線越中島支線の越中島貨物駅があり、かつては連絡線が存在していました。また、当車両基地は東西方向に伸びており、深川車庫線は東陽町駅から南へ180°曲がって来るため、本線上とは車両の向きが逆になっています。

深川車庫線

深川車庫線は、東陽町駅付近から深川車庫に至る約1.1kmの入出庫線です。東西線からの分岐部には急曲線や勾配があり、総武本線越中島支線に沿って南下します。地下区間・地上区間とも軟弱地盤構造であるため、特殊工法が採用されています。

一般公開

深川車両基地は、過去に何度か一般公開されています。これは、地域住民との交流を深め、東京メトロへの理解を促進する目的で行われています。

2005年（平成17年）1月22日：東西線開通40周年及び妙典駅開業5周年を記念して公開
* 2007年（平成19年）1月27日：東西線5000系がまもなく営業を終了するのを記念して公開

深川車両基地は、東京メトロ東西線の安全運行を支える重要な施設です。日々の検査や修繕を通じて、快適な輸送サービスを提供し続けています。

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