淳祐 (南宋)

淳祐（じゅんゆう）は、南宋の理宗の治世で使用された元号であり、1241年から1252年までの期間を指します。

淳祐年間の主な出来事

淳祐元年（1241年）: 朱熹、周敦頤、張載、二程らが孔子廟に従祀され、道学が儒学の正統と位置づけられました。モンゴルからの使者が抑留され、モンゴル軍が安豊を包囲するも、余玠の迎撃により撤退しました。
淳祐2年（1242年）: モンゴル軍が淮東・四川に侵攻。孟珙が京湖安撫制置大使、余玠が四川安撫制置使に任ぜられました。
淳祐3年（1243年）: 合州の釣魚山に城が築かれました。
淳祐4年（1244年）: モンゴル軍が寿春を包囲するも、呂文徳の迎撃を受けて撤退。州県の租税を厳しく取り立てることを禁ずる詔勅が出され、宰相の史嵩之が父の喪を理由に失脚しました。
淳祐5年（1245年）: 沿江・湖南・江西・湖広・両浙に軽捷戦船が建造され、遊撃の壮士が配置されることが決定。モンゴル軍が揚州に侵入しました。
淳祐6年（1246年）: 国用所が設置され、諸鎮に動員令が下り、辺境の守備が強化されました。孟珙が死去し、賈似道が京湖制置使として赴任しました。モンゴル軍が京湖・江淮に侵攻しました。
淳祐7年（1247年）: 会子の使用期限が廃止。戦禍による死者の遺体を収拾するよう詔勅が出され、呂文徳が泗州にてモンゴル軍を撃退しました。
淳祐8年（1248年）: 余玠が兵部尚書、賈似道が刑部尚書を兼任しました。
淳祐9年（1249年）: 世界初の法医学者である宋慈が死去しました。
淳祐10年（1250年）: 沿海の山奥・海島に保甲が置かれ、銅銭の流出と会子の偽造が取り締まられました。賈似道が両淮制置大使に転任し、余玠率いる宋軍が漢中へ北上、興元府を攻めました。
淳祐11年（1251年）: 沿江・沿海の州郡に水軍の制を厳しくする詔勅が出され、『淳祐条法事類』が完成。宋軍が襄陽を奪還しました。
淳祐12年（1252年）: モンゴル軍が京湖に侵攻しましたが、宋軍の守備に阻まれ撤退。会天暦が施行され、翌年より「宝祐」への踰年改元の詔が下されました。成都に侵攻したモンゴル軍が敗退しました。


淳祐の時代は、モンゴル帝国の侵攻が激化し、南宋は防衛に苦慮しながらも、国内の政治や文化において重要な進展が見られた時代でした。

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