清家文庫

清家文庫：京都大学に眠る貴重な古典籍群

清家文庫（せいけぶんこ）は、京都大学附属図書館が所蔵する貴重な文庫の一つです。この文庫は、清原夏野の子孫である舟橋秀賢を家祖とする舟橋家に伝来した書籍群から構成されています。

概要

舟橋家は代々、明経博士として経書を講じる家柄であり、貴重な典籍を数多く所蔵していました。これらの書籍は後に京都大学へ寄贈され、現在の清家文庫となりました。

特に重要なのが、1952年に重要文化財に指定された「清原家家学34種」です。これには、注釈付きの孝経、古文孝経、易学に関する啓蒙書や注釈書、さらには兵法書、歴史書、文学書など、多岐にわたる分野の典籍が含まれています。

清原家家学34種
御注孝経残巻
古文孝経
易学啓蒙抄
易学啓蒙通釈
易学啓蒙通釈口義
命期秘伝
尚書聴塵
毛詩
左伝聴塵
大学
論語
論語（清家証本）
論語義疏
孝経抄
史記抄
漢書抄
標題補注蒙求
六韜
六韜秘抄
司馬法
三略秘抄
三略抄
三略講義
孝子伝
長恨歌井琵琶行秘抄
拾芥抄
年中行事
新古今注
塵芥
聚分韻略
宣賢卿字書
中庸
周礼疏単疏本
孝経述義

文庫の構成

清家文庫は、以下の3つの時期に分けて収集された書籍で構成されています。

1. 初期の寄贈（2,365冊）: 1951年から1953年にかけて舟橋清賢から寄贈されたもので、慶長・元和期の木活字版『孟子抄』『毛詩抄』などが含まれます。
2. 1度目の購入（289冊）: 清原家から購入されたもので、『清原家家学書』が中心です。
3. 2度目の購入（172冊）: 1907年から1916年にかけて購入されたもので、『尚書』などが代表的です。

文庫の閲覧

清家文庫は貴重書に指定されているため、閲覧には事前の予約が必要です。京都大学附属図書館の所蔵ですが、紹介状があれば外部の研究者でも閲覧が可能です。

電子化事業

2013年からは、公益財団法人図書館振興財団の助成を受け、清家文庫を含む貴重書の電子化作業が進められています。電子化された画像は、京都大学電子図書館貴重資料画像データベースで公開され、京都大学の蔵書検索システムKULINEで検索できるようになる予定です。現在、187種の貴重書がデータベースで公開されています。

清家文庫は、古典籍研究にとって貴重な資料であり、電子化によってより多くの研究者がアクセスできるようになることが期待されます。

外部リンク

京都大学附属図書館
KULINE検索（清家文庫）
* 清家文庫 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ

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