清水茂 (フランス文学者・詩人)

清水茂は、1932年11月11日に東京府で生まれ、2020年1月16日に87歳で亡くなった、日本のフランス文学者、詩人、翻訳家です。早稲田大学の名誉教授であり、文芸誌『同時代』の同人、編集長、そして日本[[詩人クラブ]]の会長も務めました。

清水茂は、1956年に早稲田大学文学部仏文科を卒業し、1961年に同大学院文学研究科を退学しました。その後、1959年から早稲田大学文学部で助手、専任講師、助[[教授]]、教授とキャリアを積み、2003年に定年退職し、同年から名誉教授となりました。

詩人としての活動は、1953年に片山敏彦らと詩誌『横笛』を創刊したことに始まります。その後、1972年にはパリのロマン・ロラン研究所でロランの未公開資料の研究を行いました。1976年からは文芸誌『同時代』の同人として活動し、編集長も務めましたが、同誌は2016年に一旦終刊しています。

清水茂の詩人としての才能は高く評価されており、2007年に詩集『新しい朝の潮騒』で現代ポイエーシス賞を、2008年には詩集『水底の寂かさ』で日本[[詩人クラブ]]賞と埼玉詩人賞を受賞しています。さらに、2011年から2013年まで日本[[詩人クラブ]]会長を務め、2017年には『私の出会った詩人たち』で日本[[詩人クラブ]]詩界賞特別賞を、2018年には詩集『一面の静寂』で現代詩人賞を受賞するなど、数々の賞に輝いています。

フランスの詩人イヴ・ボヌフォワとの親交は深く、1996年にはアルルで行われた国際翻訳者会議にパネリストとして参加するなど、翻訳者としても国際的に活躍しました。ボヌフォワの詩作品の翻訳にも力を注ぎ、多くの作品を日本に紹介しました。

清水茂は、研究、エッセイ、詩集、翻訳と幅広い分野で多くの著作を残しています。研究・エッセイとしては、『アシジの春』、『薔薇窓の下で』、『ロマン・ロラン - 精神の蜜房』などがあり、詩集としては、『光と風のうた』、『影の夢』、『一面の静寂』などがあります。翻訳作品としては、サン＝テグジュペリの『母への手紙』、ニコス・カザンツァキの『アシジの貧者』、イヴ・ボヌフォワの『詩集 光なしに在ったもの』などがあります。

清水茂は、その生涯を通じて、フランス文学と詩の世界に深く貢献しました。彼の作品は、今もなお多くの人々に読まれ、愛され続けています。

主な著書

研究・エッセイ
『アシジの春』（小沢書店） 1981
『薔薇窓の下で』（小沢書店）1981
『古代の墓碑に』（小沢書店）1983
『ヴェラ・イコン』（小沢書店）1984
『ロマン・ロラン - 精神の蜜房』（小沢書店）1986
『地下の聖堂 - 詩人片山敏彦』（小沢書店）1988
『サン＝ランベール界隈から』（小沢書店）1990
『花さかりの巴旦杏』（小沢書店）1994
『詩とミスティック』（小沢書店）1996
『翳のなかの仄明り』（書肆青樹社） 2004
『雲の変容のように デッサン・色彩・言葉』（図書新聞） 2005
『パリ、記憶と回想の風景』（舷燈社） 2010
『夢の歌』（舷燈社） 2011
『詩と呼ばれる希望 - ルヴェルディ、ボヌフォワ等をめぐって』（コールサック社） 2014
『私の出会った詩人たち』（舷燈社） 2016
詩集
『光と風のうた』（遍歴の会） 1965
『影の夢』（書肆山田） 1993
『冬の霧』（舷燈社） 1998
『光の眠りのなかで』（舷燈社） 2000
『愛と名づけるもの』（舷燈社） 2002
『昨日の雲』（舷燈社） 2004
『新しい朝の潮騒』（舷燈社） 2007
『水底の寂かさ』（舷燈社） 2008
『砂の上の文字』（舷燈社） 2011
『赤い漿果』（舷燈社） 2012
『清水茂詩集』（土曜美術社出版販売、新・日本現代詩文庫103） 2012
『一面の静寂』（舷燈社） 2017
共著
Sigeru Simizu, Septembre 2011, L'Herne Yves Bonnefoy, Éditions de L'Herne, 2010, Paris
Sigeru Simizu, Poésie, Cette Espérance, Bonnefoy, Poésie et Dialogue, Presses universitaires de Strasbourg, 2013, Strasbourg
翻訳
『H・ヘッセ＝R・ロラン往復書簡』（ヘルマン・ヘッセ, ロマン・ロラン、片山敏彦との共訳、みすず書房） 1959
「蛍」（タゴール、アポロン社、『タゴール著作集』） 1959
『ゲルマン・ケルトの神話』（ E・トンヌラ他、みすず書房） 1960
『母への手紙』（サン＝テグジュペリ、みすず書房） 1963
『象徴主義』（A・M・シュミット、窪田般彌共訳、白水社） 1969
『石の庭』（ニコス・カザンツァキ、読売新聞社） 1978
『アシジの貧者』（ニコス・カザンツァキ、みすず書房） 1981
『岸から岸へ』（ヘルマン・ヘッセ, ロマン・ロラン、みすず書房） 1982
『往復書簡』（ルイ・ジレ, ロマン・ロラン、みすず書房） 1982
『詩集 光なしに在ったもの』（イヴ・ボヌフォワ、小澤書店） 1993
『ジャコメッティ作品集』（イヴ・ボヌフォワ、リブロポート） 1993
* 『最新詩集』（イヴ・ボヌフォワ、書誌青樹社） 2000

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