清水雅彦 (指揮者)

清水雅彦氏は、1959年生まれの日本の合唱指揮者、声楽家（テノール）、そして音楽教育者です。新潟県出身で、東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業後、宗教曲や日仏露歌曲の演奏会に数多く出演し、その音楽家としてのキャリアをスタートさせました。

彼は「歌の世界」と題したテノールリサイタルを定期的に開催し、委嘱初演を含む意欲的なプログラムで、継続的な研究発表の場としてきました。これらの研究成果は出版にもつながっています。2019年1月には、東京・浜離宮朝日ホールにて「歌の世界その9『こどもを想う－未来へ』」を開催し、好評を博しました。声楽を小川恒子、三林輝夫、小野光子に師事し、三輝会会員としても活動しています。

清水氏は、演奏活動と並行して、教育分野でも幅広く活躍しています。各種コンクールや合唱祭での審査員、NHK全国学校音楽コンクール全国コンクールの審査員を務めるほか、音楽雑誌や教科書への執筆、音楽の模擬授業、小中学校音楽研究会の講師など、多岐にわたる活動を展開しています。Nコン2019では、小学校課題曲『わたしはこねこ』の放送初演を担当し、NHKラジオ『みんなのコーラス』にもレギュラー出演するなど、メディアを通じた音楽教育にも貢献しています。

国際的な活動も積極的に行っており、2002年には日本人として初めて「グアテマラ国際合唱祭」に参加しました。これを機に、都留文科大学の学外研究制度を利用してグアテマラでの研究活動を重ね、在グアテマラ日本大使館やグアテマラ教育省主催の行事、メキシコ・プエブラ音楽院などでのワークショップ講師、コスタリカ・エレーディア音楽大学でのレクチャー、ボゴタ・コロンビア大学での公開レッスンなど、中南米・カリブ各国と日本の文化・芸術交流を推進しています。

2016年には国立音楽大学夏期音楽講習会で講師を務めました。現在は、都留文科大学教授、東京藝術大学非常勤講師として教鞭を執る傍ら、日本合唱指揮者協会、合唱人集団「音楽樹」の会員、全日本合唱連盟国際委員としても活動しています。

合唱指揮者としては、全日本合唱コンクール全国大会において、都留文科大学合唱団を2009年から12回連続で金賞に導き、そのうち5回は金賞・文部科学大臣賞を受賞するという輝かしい実績を誇ります。また、東京六大学合唱連盟定期演奏会での合同演奏や、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団の客演指揮など、数多くの合唱団を指揮しています。

清水氏は、著書も多数発表しており、『100%Music第9巻 コーラスを歌おう－発声の初歩からステージまで－』や『合唱エクササイズ指導編1.2』、女声合唱曲集『とりお・ざ・しみずのうたざんまい』など、指導者向けの書籍も手がけています。その他にも、多数のCD録音や指導録画も発表しており、その活動は多岐にわたります。

清水雅彦氏は、その音楽に対する深い造詣と情熱、そして教育者としての優れた指導力によって、日本の音楽界、特に合唱界の発展に大きく貢献している人物と言えるでしょう。

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