清河郡

清河郡：古代中国の行政区画の変遷

清河郡は、中国の漢代から唐代にかけて存在した郡であり、現在の河北省南部と山東省北西部にまたがる地域に位置していました。その成立から変遷、そして最終的な終焉まで、清河郡の歴史を詳細に見ていきましょう。

清河郡の成立と変遷

前漢時代

清河郡は、漢の高祖の時代に初めて設置されました。その後、紀元前147年（景帝中3年）には、劉乗が清河王に封じられたことで、清河郡は清河国へと改められました。しかし、紀元前136年（建元5年）に劉乗が亡くなると、清河国は廃止され、再び清河郡となりました。

紀元前114年（元鼎3年）には再び清河国が置かれましたが、紀元前66年（地節4年）には清河王が罪を犯し房陵へ流されたため、清河国は再び廃止、清河郡に戻りました。紀元前47年（初元2年）に劉竟が清河王となると再び清河国となりましたが、紀元前44年（初元5年）に劉竟が中山王に移封されると、清河国は清河郡となりました。前漢時代の清河郡は冀州に属し、清陽・東武城・繹幕など14県を管轄していました。王莽の時代には、平河郡と改称されました。

後漢時代

後漢が成立すると、郡名は清河郡に戻されました。82年（建初7年）には、劉慶が清河王に立てられたため、清河郡は再び清河国となりました。148年（建和2年）には、清河国は甘陵国と改称されました。甘陵国は、甘陵・貝丘・東武城など7県を管轄しました。206年（建安11年）には、甘陵国は甘陵郡と改められました。

三国時代から北朝時代

223年（黄初4年）、三国の魏により甘陵郡は清河郡と改称されました。277年（咸寧3年）には、西晋により司馬遐が清河王に立てられると、清河郡は清河国となりました。清河国は、清河・東武城・繹幕など6県を管轄しました。

北魏の時代には、清河郡は清河・貝丘・侯城・武城の4県を管轄しました。北周の時代には、清河郡は貝州に属しました。

隋唐時代

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、清河郡は廃止され、貝州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止され郡が置かれると、貝州が清河郡と改称されました。この時の清河郡は、清河・清陽・宗城など14県を管轄しました。

621年（武徳4年）、唐が竇建徳を平定すると、清河郡は貝州と改められ、清河・清陽・武城など9県を管轄しました。742年（天宝元年）には、貝州は再び清河郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には清河郡は貝州と改称され、ここに清河郡の名称は歴史から姿を消しました。

このように、清河郡は時代や王朝の変遷とともに、その名称や管轄地域を幾度となく変化させてきました。その歴史は、中国古代の地方行政制度の複雑さと変遷を物語る上で、重要な事例と言えるでしょう。

もう一度検索