渚滑駅

渚滑駅（しょこつえき）

渚滑駅は、北海道紋別市渚滑町に位置し、かつてJR北海道の名寄本線に存在した駅（廃駅）です。1985年までは渚滑線の分岐駅でもありました。急行「天都」や「紋別」も停車した歴史ある駅でしたが、名寄本線の廃止に伴い、その役割を終えました。

歴史

1921年（大正10年）3月25日：鉄道省の名寄東線、中湧別 - 興部間開通に伴い開業。
1923年（大正12年）11月5日：渚滑線の当駅 - 北見滝ノ上駅間が開通し、分岐駅となる。渚滑機関庫が設置。
1932年（昭和7年）10月1日：渚滑機関庫が遠軽機関庫渚滑分庫となる。
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道に移管。
1960年（昭和35年）5月1日：渚滑機関支区が廃止。
1982年（昭和57年）11月15日：貨物の取り扱いを廃止。
1984年（昭和59年）2月1日：荷物の取り扱いを廃止。
1985年（昭和60年）4月1日：渚滑線が廃止。
1986年（昭和61年）11月1日：無人駅化。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR北海道に継承。
1989年（平成元年）5月1日：名寄本線の全線廃止に伴い、廃駅。

駅名は、所在地である「渚滑町」に由来します。この地名はアイヌ語の「ソー・コッ」（滝壺）から来ており、その滝壺から砂金が産出したことが、鴻之舞金山の起源となりました。

駅構造

廃止時点では、1面1線の単式ホームを持つ地上駅でした。ホームは線路の北側に位置していました。かつては2面3線のホームを持ち、列車交換も可能でしたが、無人化の際に簡素化されました。駅舎は構内の北側にあり、ホーム中央部分に接していました。

利用状況

（乗車人員の推移に関するデータは省略）

駅弁

1935年から1978年まで、駅前の食堂が「帆立めし」を駅弁として販売していました。

駅周辺

駅周辺には、国道238号（オホーツク国道）や国道273号（渚滑国道）が通り、紋別市役所渚滑出張所、紋別警察署渚滑駐在所、渚滑郵便局、北見信用金庫渚滑出張所、紋別市立渚滑中学校・小学校などがあります。また、渚滑川やオムサロ原生花園も近くに位置しています。

駅跡地の再開発

名寄本線廃止後、駅本屋はバスの待合所として活用されました。駅構内はパークゴルフコースとなり、旧機関庫は冬季に室内パークゴルフ場として利用されました。1997年度から紋別市が再開発に着手し、市食品加工センター、高齢者ふれあいセンター、バス待合所、家畜診療所などが建設されました。パークゴルフコースも再整備され、「渚滑ふれあいパークゴルフ場」として生まれ変わりました。

紋別市運動公園で保存されていた9600形蒸気機関車（69644）が移設され、展示されています。また、渚滑線跡地の一部は築堤として残存しており、渚滑小学校にはレールや踏切などが保存されています。

隣の駅

北海道旅客鉄道

名寄本線

富丘駅 - 渚滑駅 - 潮見町駅

かつて富丘駅（当時は仮乗降場）と当駅との間に川向仮乗降場が存在しました。

日本国有鉄道

渚滑線

渚滑駅 - 元西仮乗降場 - 下渚滑駅

渚滑駅は、その歴史を終えましたが、地域住民の交流の場として、その跡地は新たな役割を担っています。

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