渡辺内膳

渡辺内膳の生涯と業績

渡辺内膳（旧字：渡邉 内膳、わたなべ ないぜん）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将で、藤堂家の重臣として知られています。彼の通称には弥作や掃部があり、後に藤堂姓を与えられ、藤堂内膳として名乗りました。彼の出自は渡辺綱の子孫で、島川家に生まれました。

幼少期と家族

内膳は大和国人・島川専助の末子として生まれました。彼には兄が二人おり、渡辺金六と島川専助がいます。兄の金六が渡辺家に養子に入ったため、内膳は島川家を継承することになりました。この家庭背景が彼のその後の武士としての人生に影響を与えたと言えます。

藤堂高虎への仕官と戦歴

内膳が藤堂高虎に仕官したのは天正10年（1582年）の頃です。彼は兄の金六と共に多くの戦闘に参加し、初めは弥作と名乗っていました。彼の軍歴には山崎の戦い、賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦い、紀州征伐などがあり、これらの戦いで彼は名を馳せていきます。

文禄4年（1595年）には慶長の役において南原城の戦いでの兄の討死を受けて、渡辺家を継承しました。続く関ヶ原の戦いでは見事な戦功を上げ、結果として2千石の知行を授与されることとなりました。このとき、渡辺の名を掃部に改称します。

城普請と大坂の陣

内膳は慶長16年（1611年）には伊賀上野城の普請奉行を務め、以降様々な城普請に関与しました。また、慶長19年（1614年）から始まる大坂の陣にも参加し、特に冬の陣では侍大将として左先鋒の役割を担いました。翌年の夏の陣でも同様に左先鋒を務め、多くの戦闘に従事しました。八尾の戦いでは長宗我部盛親隊との競り合いで負傷しつつも無事に戦場から帰還しました。

藤堂姓の取得と晩年

寛永10年（1633年）には津藩の第2代藩主・藤堂高次から藤堂姓を与えられ、「藤堂内膳」と称することとなります。彼は江戸城の普請にも携わり、幕府に対する貢献も果たしました。

内膳は正保3年（1646年）に死去し、彼の嫡男である宗が跡を継ぎました。以降、藤堂内膳家は幕末まで藩の重役として名を馳せる存在となっています。面白いことに、4代目の渡辺宗武が藤堂姓を返上し、再び渡辺姓に戻る出来事もありました。

結論

渡辺内膳は、その戦歴と藤堂家との関連から、日本の武将としての重要な位置を占めていました。彼の業績や功績は、江戸時代の武士たちの中でも特筆すべきものとなりました。

もう一度検索