測定器等の較正に関する規則

測定器等の較正に関する規則について

「測定器等の較正に関する規則」は、電波法に基づき、無線設備の点検に用いられる測定器の較正について定めた総務省令です。この規則は、無線設備の点検における測定器の精度を確保し、電波の適正な利用を促進することを目的としています。

構成

この規則は、以下の章で構成されています。

第1章 総則
第2章 較正
第3章 指定較正機関
附則

概要

本規則は、電波法第102条の18に規定されている「無線設備の点検に用いる測定器その他の設備であつて総務省令で定めるもの」について、情報通信研究機構以外で総務大臣が指定する較正機関について定めています。

ここでいう点検とは、登録検査等事業者等規則に規定されている登録検査等事業者等が行う点検のことで、これらの事業者は、登録要件の一つとして、使用する測定器の較正計画を策定することが義務付けられています。

経緯

この規則は、1998年（平成10年）に制定された無線局認定点検事業者規則（現在の登録検査等事業者等規則の前身）において、無線局認定点検事業者が測定器の較正計画を策定することを認定要件としたことがきっかけで制定されました。その後、2011年（平成23年）の登録検査等事業者等規則においても、同様に測定器の較正が認定または登録の要件とされ、本規則が参照されてきました。

また、電波法や電気通信事業法に規定される様々な登録事業者においても、測定器の較正計画が登録要件とされることが多く、登録検査等事業者等に関する規定が準用される際に、本規則が参照されています。

対象となる測定器

本規則の対象となる測定器は以下の通りです。

周波数計
スペクトル分析器
電界強度測定器
高周波電力計
電圧電流計
標準信号発生器
周波数標準器

表示

情報通信研究機構または指定較正機関によって較正された測定器には、本規則別表第2号に定められた表示が付与されます。

較正員

指定較正機関には、較正を行うための較正員を配置することが義務付けられています。較正員の要件は以下のいずれかです。

大学または高等専門学校で無線通信工学を履修した卒業者（無線通信工学を履修した専門職大学の前期課程修了者を含む。）
第一級総合無線通信士、各級陸上無線技術士、または第一級海上無線通信士の資格を有する者

公示

較正機関の指定や休廃止に関する情報は、官報にて公示されます。

沿革

1997年（平成9年）- 平成9年郵政省令第74号として制定。当初、較正員の要件は大学または高等専門学校で無線通信工学を履修した卒業者に限定されていました。
2018年（平成30年）- 平成30年総務省令第14号による改正により、較正員の要件に専門職大学で無線通信工学を履修した前期課程修了者が追加されました。

脚注

引用の促音の表記は原文ママです。

関連項目

指定較正機関
登録検査等事業者等規則

外部リンク

総務省電波利用ホームページ
測定器等の較正に関する規則
指定較正機関
テレコムエンジニアリングセンター

この規則は、無線設備の信頼性を確保し、電波の有効利用を促進するために不可欠なものです。測定器の較正を適切に行うことで、電波の利用がより安全かつ効率的に行われることが期待されます。

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