総合無線通信士

総合無線通信士概説

総合無線通信士（そうごうむせんつうしんし）は、無線従事者の国家資格で、電波法第40条第1号に基づいて認定される資格です。これは総務省が管理しており、英語では「Radio Operator for General Services」と表記されます。この資格は、第一級、一総通、第二級、二総通、第三級、三総通の3つのレベルに分けられ、それぞれの通称が用いられています。

資格の種類と内容

一総通

これは第一級の資格で、すべての無線通信操作、船舶や航空機の技術操作を含む広範囲な権限があります。同資格者は、様々な無線通信局の操作に従事でき、一般的には航空業務や海上業務に関わる役割が期待されます。

二総通

二総通は第二級の資格で、主に近海域を航行する商船や漁船の無線操作を担当します。また、無線通信の業務において空中線電力に制限があります。この資格は、二級陸上無線技術士の資格の一部も包含しています。

三総通

三総通は第三級の資格で、漁船の無線操作を担当しますが、無線電話での国際通信操作や人工衛星中継による通信は除かれます。

資格の取得方法

総合無線通信士になるためには、国家試験に合格する必要があります。試験は日本無線協会によって年2回（通常9月及び3月）行われ、特定の場所でも実施されることがあります。試験は筆記および実地試験で構成されており、電気通信術、無線工学、法規、英語、地理が科目として求められ、科目ごとの知識を試されます。

なかでも要求される技術は高く、モールス符号を用いた通信技術や無線設備の運用、無線通信の法規について深く理解しておくことが重要です。

運用範囲と免許証の特徴

一級総合無線通信士は、他の無線従事者の資格のなかでも最高峰と見なされ、これにより一総通は他の資格の運用範囲をすべてカバーします。同時に、二総通と三総通は自身が取得した資格の範囲内での通信操作が許可されていますが、運用可能な範囲はそれぞれの級に基づいて制限されています。

また、免許証には日本語と英語で資格の詳しい内容が記載され、国際的基準である国際電気通信連合憲章に従って発行されます。このようにして、資格保持者は国際的にも通用する技術と業務能力を有することが証明されます。

変遷と現況

1990年代以降、通信業界の進化とともに資格制度も変化しており、試験方法や内容も随時見直されています。特に無線通信の需要が減少するなかで、総合無線通信士の養成も、漁業関連の教育機関に移行しています。さらに、無線技術の自動化や簡素化が進展したことにより、無線通信士の需要は縮小してきています。

まとめ

総合無線通信士は、無線通信に関する専門知識と技術を有する資格者として重要な役割を果たします。国際的にも通用するこの資格を保持することで、業種や職域において広範な選択肢を持つことができるでしょう。資格取得を目指す人々は、最新の通信技術と法律を理解し、これに対応する力を求められていると言えるでしょう。

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