湘南貨物駅

湘南貨物駅について

湘南貨物駅（しょうなんかもつえき）は、神奈川県藤沢市村岡東一丁目に位置していた日本国有鉄道（国鉄）の貨物駅でした。この駅は、東海道本線の複々線区間において、大船駅と藤沢駅の中間に存在し、貨物の取扱いを行っていました。しかし、1985年にその役目を終え、大きな変化が訪れました。

歴史を振り返る

湘南貨物駅は1969年10月1日に設立され、藤沢駅の貨物取扱業務が分離されて開業しました。その後、1974年には「荷貨一元化」によって小荷物の取り扱いを開始。同年にはコンテナ貨物の取り扱いも行われましたが、1985年には残念ながらその役目を中止し、駅は廃止となりました。

駅は地上駅として構築されており、本線の北側には仕分け用の線路が配置され、北側には貨物ホームと荷役線がありました。ただし、コンテナ貨物は扱われておらず、車扱貨物のみが対象でした。駅舎は二階建てで、貨物業務を見守るように設置されていました。

駅跡地の利用状況

湘南貨物駅が廃止された後、跡地の一部はTSUTAYAの店舗として利用されており、駐車場には国鉄のC20形コンテナが置かれています。また、施設内ではフットサルの場としても活用されています。以前にはサカタのタネやABCハウジングの住宅展示場が存在していましたが、現在は撤去されています。

特にサカタのタネ跡地はフットサルコートに改造され、ABCハウジングの跡地は更地として残されています。撤去された分岐器は本線に支障をきたすことなく完全に解体され、本線上にも一部の残存レールが見受けられます。

村岡新駅計画

湘南貨物駅跡地では、新しい旅客駅「村岡新駅」（仮称）の整備計画が進行中です。JR東日本と地元自治体は、2021年にこの駅を設置することに合意し、基本協定を締結しました。村岡新駅は、湘南貨物駅跡地と鎌倉総合車両センター跡地を再開発し、東海道線列車が停車する駅として設計されています。整備費用は約160億円が見込まれ、神奈川県、藤沢市、鎌倉市がその費用負担に同意しました。

駅の開業は2032年度を予定しており、神奈川県が30%、藤沢・鎌倉両市がそれぞれ27.5%、JR東日本は15%を負担します。このような観点から、村岡新駅計画は地域にとって大きな意義を持つプロジェクトであると言えるでしょう。

2024年には施工協定書が締結され、工事の完成イメージ図も発表されるなど、プロジェクトは着実に進行しています。2025年には工事が開始される予定です。

駅周辺の施設

湘南貨物駅周辺には、湘南ヘルスイノベーションパーク、ナスラックNAS鎌倉工場、JR鎌倉車両センター、三菱電機鎌倉製作所など、さまざまな企業や施設が存在します。これらの施設は地域経済にも寄与しており、新駅の開設が地域の発展をさらに促すものと期待されています。

また、隣接する東日本旅客鉄道の大船工場跡地には、新しい市役所本庁舎を移転する構想もあり、今後の地域の再開発が注目されるところです。湘南貨物駅から新しい旅客駅への移行や地域開発は、藤沢市に新しいビジョンをもたらすものと考えられています。

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