湯浅新六

湯浅 新六の生涯と功績

湯浅新六（ゆあさ しんろく）は、戦国から安土桃山時代にかけて活躍した武将です。美濃国山之上村（現在の美濃加茂市）の住民であり、加治田城主・佐藤忠能のもとで仕官しました。彼の実名は歴史に残されていませんが、槍術の達人として名を知られ、敵に立ち向かう姿勢は周囲に誇りと尊敬をもたらしていました。

略歴

新六は、永禄8年（1565年）に堂洞合戦に出陣し、戦場でその名を高めます。特に関・加治田合戦では、長井道利が加治田城の攻撃を進める中、佐藤忠能の子・信氏が戦死し、加治田・織田連合軍が危機に瀕します。そんな状況下で新六は一番に名乗り出て、槍を手に関勢に敢然と立ち向かいました。彼の勇敢な戦いによって敵を肥田瀬の川端まで追い詰め、加治田軍に勝利をもたらすことができました。この功績を称えられ、彼は斎藤利治から新の字を与えられ、「新六」の名で知られるようになります。武将としてだけでなく、新六は斎藤家で重要な役割を担い、天正10年（1582年）の加治田・兼山合戦にも参加します。

戦争が終わり、加治田城の廃城により昇進の道を断たれた後、彼は入道し道牧と名乗って山之上に戻りました。その後の彼は農業に従事しながら、余暇には戦場の物語を人々に語っていました。彼の語った話を、子供の安右衛門が受け継ぎ、それを服部打睡入道が軍記として記録したのが『永禄美濃軍記』です。

また、彼は天正11年（1583年）に自ら再建した十二神社の棟札に名前が残っており、地域社会への貢献も示しています。彼の子孫の墓地には道牧入道としての石碑が存在し、彼の存在が今もなお地域に根付いていることが伺えます。

逸話

湯浅新六の戦歴には数多くの逸話が存在します。特に堂洞合戦では、岸信周の嫡男、岸信房の首を討ち取る活躍を見せました。加治田・兼山合戦では森軍の背後に回り込み、旧堂洞城本陣へと攻め上るなど、その戦略的な動きは周囲から称賛を受けるものでした。

彼に関する記録は多く、富加町史にも新六の墓碑の写真が掲載されており、彼の歴史的意義は地域に深く根付いています。

まとめ

湯浅新六は、戦国時代の波乱の中で名を馳せた武将であり、槍術の名手として数々の戦に参加し、勇敢な戦いを展開しました。彼の功績や家族の歴史は地域の人々に語り継がれ、現在でも多くの人に知られています。新六の物語は、戦国時代の日本の武士の姿を象徴するものであり、その活躍は永遠に忘れられることはないでしょう。

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