満洲興業銀行

満洲興業銀行：満洲国の特殊銀行

満洲興業銀行は、1936年（康徳3年）に「満洲興業銀行法」に基づいて設立された、満洲国における特殊銀行の一つです。本店は新京特別市（現在の長春市）に置かれました。

設立の背景と概要

満洲興業銀行は、朝鮮銀行の在満支店を改編して設立されました。設立時の資本金は3,000万円で、その半分は満洲国政府が出資し、残りは朝鮮銀行の残余資産が充当されました。この銀行は、単なる普通銀行業務に留まらず、満洲国内の農工業への資金供給を主要な業務としていました。そのため、預金業務に加えて、国内で唯一、債券発行による資金調達が認められていました。

設立当初は、一般商工業者への貸付が中心でしたが、「満洲産業開発五カ年計画」の推進に伴い、重工業振興が加速すると、建設や鉱工業などへの債券発行が拡大しました。また、1936年には国外支店として東京支店が開設され、日本からの長期資金導入を促進する役割も担いました。

業務内容と特徴

満洲興業銀行は、満洲国における長期金融の中心機関として機能しました。その業務の特徴は、普通銀行業務に加えて、満洲国内の産業開発を目的とする会社の社債や株式に応募したり、引き受けたりすることができた点にあります。これにより、満洲国の産業開発に積極的に関与しました。

満洲興業債券

満洲興業銀行が発行する満洲興業債券は、「満洲興業銀行法」によって「政府ハ満洲興業銀行ガ外国ニ於テ債券ヲ発行スル場合ニ於テハ其ノ元利金ノ支払ヲ保証スルコトヲ得」と定められていました。つまり、国家の信用を担保にした債券発行が可能であり、特に日本からの資金流入に大きく貢献しました。同行は、債券発行業務に関連して、子会社として満洲興業証券会社を設立しています。満洲興業銀行は、払込資本金の15倍に達するまで満洲興業債券を発行することができました。

終焉

他の国内日系企業と同様に、満洲興業銀行も1945年の終戦をもって業務を終了しました。

歴代総裁

歴代総裁については、情報が不足しているため、詳細を割愛します。

関連事項

• - 満洲重工業開発
• - 朝鮮銀行
• - 金融債
• - 長期信用銀行

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