源光信

源光信（みなもと の みつのぶ）

源光信は、平安時代末期に活躍した武将です。父は出羽守を務めた源光国で、通称として出羽判官や土佐判官と呼ばれました。また、鳥羽院の側近である四天王の一人としても知られています。

生涯

光信は、白河院と鳥羽院の両院に仕え、北面武士や検非違使といった役職を歴任しました。大治4年（1129年）には、前年に武者所を殺害した郎党の赦免を巡り、源為義と激しく対立しました。この際、両者は兵を挙げて争奪戦を繰り広げようとし、一触即発の事態となりました（『中右記』）。

同年11月には、南都で仏師長円襲撃事件が発生すると、光信はいち早く興福寺内を捜索しました。また、同じ年には、かつて平正盛によって討伐されたはずの源義親を名乗る人物が京に現れました。この人物は鳥羽院の意向により、前関白・藤原忠実の屋敷に匿われます。しかし、大治5年（1130年）には、別にもう一人の義親が大津から現れ、二人の義親は光信の邸宅前で合戦を繰り広げました。結果、大津の義親が偽者であることが判明しましたが、光信は激怒し、同年11月に騎馬武者と徒歩武者を率いて忠実の屋敷を夜襲、義親とその郎党十数人を殺害しました（源義親の乱）。

この事件により、光信は罪に問われ土佐国へ流刑となりました。しかし、この事件の背景には、白河院没後の勢力争い、具体的には平忠盛ら故院勢力と摂関家、上皇との間の対立が深く関わっていました。康治2年（1143年）には流刑を解かれ、本位に復帰しましたが、その2年後の久安元年（1145年）に53歳で亡くなりました。享年については55歳、または64歳という説もあります。

系譜

父：源光国（1063-1147）
母：左衛門尉家実女
妻：藤原佐実の娘
長男：源光基
妻：左衛門尉清俊の娘
男子：源光長（?-1184）
生母不明の子女
男子：源光重 - 源仲政の養子
男子：源光義
男子：源国時
男子：源信保
女子：石清水八幡宗清法印室

参考文献

宮崎康充 「古代末期における美濃源氏の動向」『書陵部紀要』第30号（宮内庁書陵部、1979年）
横山, 住雄『美濃土岐氏―平安から戦国を駆け抜けた本宗家の戦い』戎光祥出版株式会社、2024年4月10日。ISBN 978-4-86403-504-0。

関連項目

美濃源氏
源義親の乱

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