源仲政

源仲政(みなもと の なかまさ)



源仲政は、平安時代後期の武将歌人として知られています。馬場仲政(ばば の なかまさ)とも呼ばれ、三河守・源頼綱の次男として生まれました。官位従四位下・下野守にまで昇進しました。

生涯



摂関家の勾当や蔵人所雑色を務めた後、嘉保2年(1095年)には兄・明国と共に堀河天皇の六位蔵人に任じられました。兄弟で同時に蔵人に任じられることは珍しく、これは白河院や摂関家からの厚い信頼があったためと考えられています。しかし、この処遇に対して藤原宗忠は過剰であると批判しています。

嘉保3年(1096年)には左兵衛尉に任じられ、翌承徳元年(1097年)正月に叙爵しました。兄・明国が摂津源氏の本拠地である多田荘を継承し、摂関家に近侍したのに対し、仲政は白河・鳥羽両院に仕え、検非違使、皇后宮大進、兵庫頭、下総守、下野守などを歴任しました。位階従四位下(一説には従五位上)にまで昇りました。

天仁元年(1108年)、皇后宮大進在任中には、仲政の郎従が尾張権守・藤原佐実を襲い刀傷を負わせる事件が起こりました。この事件は、佐実との間で愛人を巡る争いが原因であったとされています。この事件は後に『十訓抄』にも収録されました。また、元永・保安年間(1118年 - 1124年)には、西国で朝廷に背いた源義親を名乗る者が現れ、仲政はこれを捕らえるという功績を上げました。

歌人としても才能を発揮し、和歌を通じて源俊頼、藤原為忠、藤原俊忠、藤原俊成藤原家成らの中級貴族と親交を深めました。摂政藤原師通歌合にも招かれています。彼の詠んだ歌は『金葉集』以下の勅撰[[和歌集]]に計15首が収録されており、藤原為忠の家集『丹後守為忠朝臣家百首』にも多く収録されています。また、家集として『蓬屋集』がありましたが、現在は残っていません。

保延年間(1135年 - 1142年)には、家督を嫡男・頼政に譲り、引退したとされています。後世、馬場氏や池田氏が仲政の後裔を称しています。

系譜



父:源頼綱
母:中納言局 - 小一条院女房
妻:藤原友実娘
男子:源頼政 - 源三位
男子:源頼行 - 子孫は小国氏
生母不明の子女
男子:源泰政 - 紀奉貞(池田蔵人大夫)の養子となり池田氏を相続
男子:良智 - 延暦寺
男子:乗智 - 延暦寺
女子:法性寺殿三河 - 関白藤原忠通女房歌人
女子:皇后宮美濃 - 令子内親王女房歌人
女子:藤原経定室
養子
男子:源光重 - 源光信あるいは源頼資の四男・基国の子。子孫は深栖氏



参考文献



元木泰雄 『源満仲・頼光 殺生放逸 朝家の守護』(ミネルヴァ書房、2004年) ISBN 4623039676
浅見和彦校注 『十訓抄』新編日本古典文学全集51(小学館1997年)ISBN 4096580511


関連項目



満願寺
馬場氏

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