源師能

源師能（みなもと の もろよし）

源師能は、生年不詳ながら久寿2年（1155年）2月に亡くなった平安時代後期の貴族です。村上源氏の流れを汲み、大納言・源師頼の子として生まれました。最終的な官位は正四位下・左中弁でした。

経歴

師能は、まず従五位上・中務権少輔に叙任され、保延4年（1138年）には崇徳天皇の五位蔵人に任ぜられました。その後、正五位下・中務権大輔を経て、永治元年（1141年）には近衛天皇の即位に伴い、引き続き五位蔵人を務めるとともに、左少弁に遷りました。

その後も順調に昇進を重ね、久安3年（1147年）に権右中弁、久安4年（1148年）には従四位下・右中弁、久安5年（1149年）には従四位上、久安6年（1150年）には正四位下・左中弁と、弁官としてのキャリアを着実に築きました。

久寿元年（1154年）には、子息である源通能の少納言任官と引き替えに左中弁を辞し、翌久寿2年（1155年）2月にこの世を去りました。

官歴

以下に、源師能の官歴をまとめます。特に注記がないものは、『弁官補任』に基づいています。

時期不詳：従五位上。中務権少輔
保延4年（1138年）正月22日：五位蔵人
時期不詳：正五位下。中務権大輔
永治元年（1141年）12月2日：左少弁。12月7日：五位蔵人（新帝）
久安3年（1147年）正月28日：権右中弁
久安4年（1148年）正月5日：従四位下。10月13日：右中弁
久安5年（1149年）3月20日：従四位上（延勝寺供養行事賞）
久安6年（1150年）正月6日：正四位下（久安3年春日行幸行事賞）。4月28日：左中弁
仁平元年（1151年）10月10日：修理左宮城使
仁平3年（1153年）8月：装束司
久寿元年（1154年）12月28日：辞左中弁（以男通能任少納言）
久寿2年（1155年）2月：卒去（前左中弁正四位下）

系譜

『尊卑分脈』によると、源師能の系譜は以下の通りです。

父：源師頼
母：藤原通宗の娘（二条太皇太后宮大弐か）
妻：源能俊の娘
男子：源通能
生母不詳の子女
男子：俊朝

参考文献

* 『尊卑分脈 第三篇』吉川弘文館、1987年

源師能は、平安時代後期の官僚として、着実にキャリアを重ねた人物であったと言えるでしょう。

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