源通能

源通能（みなもと の みちよし）

源通能は、平安時代後期に活躍した貴族、そして歌人です。村上源氏の流れを汲み、権中納言である源雅兼の子として生まれました。また、源師能の養子でもあります。官位は正四位下、右近衛中将にまで昇りました。

経歴

主に二条天皇の時代に歌人としてその名を知られ、彼の作品は勅撰和歌集である『千載和歌集』に二首が収録されています。久寿元年（1154年）には式部大夫を務めていたことが記録されており、同年12月には養父である師能が左中弁を辞任したことを受け、代わりに少納言に任じられました。久寿2年（1155年）2月3日に養父・師能が亡くなり、喪に服した後、5月24日に初めて参内しています。

二条天皇が践祚した直後の保元3年（1158年）12月29日に少納言を辞任。永暦元年（1160年）頃には右近衛少将に任官しています。同年には清輔朝臣家歌合の判者を務めました。仁安2年（1167年）正月5日には正四位下に叙せられています。その後、出家し、承安4年12月（1175年1月）に亡くなりました。

和歌の才能はもとより、琵琶にも長けており、二条天皇に琵琶を教えるほどでしたが、当時の琵琶の第一人者であった藤原師長が保元の乱で配流されたための代理であり、新たに台頭した中原有安には及ばなかったという説もあります。

系譜

父：源雅兼
母：源能俊の娘
養父：源師能
妻：不詳
生母不明の子女
男子：源兼能(1157-1175)

源通能は、歌人、貴族として、また文化人として、平安時代の文化に深く関わった人物です。彼の残した足跡は、和歌や音楽の世界に今も息づいています。

もう一度検索