源雅兼

源雅兼（みなもと の まさかね）

源雅兼は、平安時代後期に活躍した公卿。村上源氏の流れを汲み、右大臣を務めた源顕房の八男として生まれた。その才能から白河院、鳥羽院の近臣として重用され、 политической сценуに確固たる地位を築いた。

経歴

雅兼は、白河院の厚い信任を受け、長治元年（1104年）に堀河天皇の五位蔵人となる。その後、嘉承2年（1107年）の堀河天皇崩御までその職を務め上げた。天永2年（1111年）からは鳥羽天皇の五位蔵人となり、弁官としての能力を発揮し、永久5年（1117年）正月には従四位下に叙せられた。保安3年（1122年）からは、鳥羽・崇徳二代にわたり蔵人頭を務め、大治5年（1130年）十月には参議左大弁に任じられる。天承元年（1131年）には従三位・権中納言に昇進し、公卿としての地位を確立した。長承3年（1134年）には治部卿を兼任するも、長承4年（1135年）に病のため辞職し出家。礼部禅門と呼ばれた（礼部は治部の唐名）。

人物

雅兼は学才に優れ、朝廷の政務にも精通していたため、白河院と鳥羽院からの信頼は非常に厚かった。白河院は、藤原通俊や大江匡房と並んで雅兼を高く評価していたと伝えられている（『古事談』）。また、鳥羽院は雅兼が出家した後も、しばしば彼を呼び出して重要事項について相談したという（『今鏡』300段）。源師時は、天下を支える名臣として、源師時自身、藤原忠宗、源師俊と共に雅兼の名前を挙げている（『長秋記』長承2年9月5日条）。

歌人として

雅兼は歌人としても才能を発揮し、家集として『中納言雅兼卿集』（83首）を遺している。『金葉和歌集』以下の勅撰和歌集にも9首の和歌が選ばれており、歌人としての評価も高かった。

系譜

父：源顕房
母：藤原惟子（因幡掌侍） - 因幡守藤原惟綱の娘
妻：藤原季成の娘
男子：源雅成
妻：源忠宗の娘
男子：源雅範
男子：源雅綱（?-1143）
妻：大納言源能俊の娘
男子：源雅頼（1127-1190）
男子：源定房（1130-1188） - 源雅定の猶子
男子：源通能 (?-1175) - 源師能の養子
生母不明の子女
男子：源季房 (?-1156) - 源顕房の子とも
男子：源雅隆 - 源顕房の子とも
* 女子：藤原俊盛室

雅兼は、 политической сценуでの活躍に加え、文化人としても名を残した人物であった。

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